葛飾北斎の三女・応為の創作落語を披露する林家あんこ（深川江戸資料館小劇場で＝撮影・武藤奈緒美）

　女流落語家で林家一門期待の二ツ目、林家あんこ（３８）が１９日、東京・江東区の深川江戸資料館小劇場で「第二回『北斎の娘』を聴く会」を開催した。昨年６月に行って話題を集めた浮世絵師・葛飾北斎の三女・応為（おうい）を題材にした創作落語の再演。昨年に続きチケット完売で、本人も「満員になる日がくるなんて」と渾身の自作落語を情感たっぷりに口演、観客を魅了した。 　応為は美人画の名手として知られ、代表作「吉原格子先之図」（太田記念美術館蔵）は「江戸のレンブラント」とも評され、生涯の大半を父・北斎の助手として支えた謎多き女性絵師。その半生を落語でよみがえらせ、江戸の情緒とその時代に生きた浮世絵師たちのドラマを感動とともに語りつくす内容。あんこ自身も二代・林家時蔵を父に持つ２世初の女性落語家だけに、偉大な父を持つ苦悩や葛藤なども盛り込まれている。ゲストに音曲師の桂小すみも招き、観客を大いに沸かせた。 　日本テレビ「笑点」アシスタントを務めるあんこは墨田区出身・在住で、生涯の多くをすみだで過ごした北斎を題材にした落語をライフワークにしており、１１月３日にも東京・墨田区のすみだ北斎美術館で「第一回　北斎と話芸～浮世絵と落語～」を行う。