中国で「山から降りてきたトラ」が人間を襲って大騒動に…!黒竜江省で出現したトラから「習近平」を連想してしまう”決定的なワケ”
日本ではクマ、中国ではトラに襲われる
世界がその動向を注目している中国で、珍しい出来事が起きた。 11月18日、中国東北部黒竜江省の村に一頭の白頭山トラが降りてきて、65歳の住民の左腕を噛んで逃げるという事件が発生したのだ(被害者は病院で手当てを受けている)。 【写真】これはヤバすぎる…!中国で「100年に一度の大洪水」のようす 日本でもクマに襲撃される事件が多発しているが、幸いにも虎に襲われる心配はない。筆者は「苛政は虎より猛し」という中国の古いことわざを思い出した。 民衆を苦しめている政治は、人を食う虎よりも恐ろしいという含意だ。 不動産バブル崩壊後の中国政府はまさにこのことわざどおりだと思わざるを得ない。 米ボストン・コンサルティング・グループの調査で、「最近の景気刺激策は低迷する消費者信頼感の実質的な押し上げにつながっていない」ことが明らかになっている。 中国政府は11月8日に10兆元(約210兆円)の対策を発表したが、地方政府が抱える隠れ債務を減らすことが目的であり、国民の生活を改善する効果は期待できない。 中国政府は来年から国民の祝日を2日間増加することを決定した。旅行ブームにあやかり国内消費を喚起する狙いだが、効果は期待薄だ。日本でも同様の取り組みを実施したが、空振りに終わったことを思い出す。中国各地で無差別殺傷事件が発生していることも大きな足かせだ。観光地のような人口密集地を避ける傾向が高まることが予想されるからだ。
本当に怖い「苛烈な政治」
「習近平国家主席はデフレを放置しているのではないか」との指摘が出ている(11月19日付日本経済新聞)。 中国共産党幹部には1989年の天安門事件のトラウマがある。民主化を求める学生運動とのイメージが強いが、1988年、89年の消費者物価指数(CPI)がともに18%に達しており、高インフレが主要因だった。 このため、「インフレは政変につながる危険性があるが、デフレはその懸念がない」と高を括っているようだが、しっぺ返しを食らってしまう可能性は十分にある。 中国にとっての最大の懸念事項はデフレに起因する雇用難だ。 若年層(16~24歳)の10月の失業率(就学生を除く)は17.1%と前月に比べて低下したものの、高止まりが続いている。 来年の大学卒業予定者は43万人増加し、1222万人と史上最高を更新する見込みだ。 中国政府がその対策として「家事代行や清掃などに従事するよう奨励する」との方針を示すと、ネット上では「親の金の無駄遣いだ」などの非難の声が相次いでいる。
苛政から生まれる「社会報復」
ちなみに、白頭山トラに襲われたのは、黒竜江省七台河市勃利県管轄の吉興朝鮮族満族郷で、勃利県林業草業局は「関係当局が管轄地域に到着し、トラの行方を追跡している」と発表している。 当局は、赤外線カメラ、ドローンなどでトラの痕跡を捜索しているというが、トラの発見には至っていない。 「苛政は虎より猛し」と言われる中国政府の過酷な政治は、社会報復というトラとなって、人々の目の前に立ちはだかっている。 後編記事『中国は「歴史のゴミ時間」をたどっている…!習近平の「苛政」で海外脱出が続出、日本にやってくる中国人がいま「本当に考えている」こと』でさらに詳しくお伝えしていこう。
藤 和彦(経済産業研究所コンサルティングフェロー)
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