「無所属候補」まで「高市早苗来たる」の引く手あまた「ポスト石破」見すえた“非公認のプリンセス”の人気ぶり
10月17日午後、自民党の高市早苗前経済安保大臣が東京・石神井公園駅前に姿を現した。 【写真あり】菅原一秀氏の「高市早苗」“大主張”の選挙ポスター 衆議院選挙(10月27日投開票)で、練馬区西部にあたる「東京9区」から無所属で出馬している、元経済産業相で“出直し選挙”に臨む菅原一秀氏の応援に駆けつけたのだ。 「菅原氏は、2019年10月に『週刊文春』で、地元の有権者にメロンやカニなどを送ったことが報じられ、2021年6月、公職選挙法違反(選挙区内での寄付)で、東京地検特捜部に略式起訴されました。 有罪判決が確定した菅原氏は3年の公民権停止となり、2024年7月に公民権が回復しています。衆院解散後の10月9日に、菅原氏は自民党への復党が了承されましたが、今回の選挙はなぜか“無所属”での出馬です。イメージ戦略のひとつかもしれません」(政治担当記者) そんな菅原氏が“頼みの綱”にしたのが、高市氏だったようだ。練馬区内に掲示された選挙ポスターについて、住民はこう話す。 「菅原氏のポスターには、自民党については何も言及されていませんでしたが、目立つところに『高市早苗 来たる!!』と、演説日程が書かれたシールがデカデカと貼られていました。それは『物価高対策 最優先! 国民所得倍増へ』というキャッチフレーズよりも大きかったですね」 そういった“宣伝効果”もあったためか、当日、石神井公園駅には多くの聴衆が駆けつけた。だが、なかには菅原氏の“悪事”を意識して、「カニとメロン」をアピールするプラカードも……。 演説が始まると、高市氏は「菅原さんは何度も電話をくれ『みんな高市さんを応援しているので、がんばって戦え』と言ってくれた」などと、菅原氏への感謝の言葉を披露。まさに、菅原氏が「自民党員」というべきエピソードだ。 前出の政治担当記者はこう話す。 「9月の自民党総裁選の決選投票で、石破茂首相に敗れた高市氏ですが、衆院選の公示前にすでに120カ所を超える陣営から応援要請が来るほどの引っ張りだこ状態でした。 告示日翌日の10月16日から、各陣営への応援行脚をスタート。最初は、政治資金収支報告への不記載(474万円)などを理由に非公認となった、旧安倍派の細田健一前衆院議員(新潟2区)の演説会に参加しました。 その後、不記載で比例重複が認められなかった高鳥修一前衆院議員(新潟5区)、若林健太前衆院議員(長野1区)と、いずれも旧安倍派の“裏金議員”の応援に駆けつけていました」 総裁選では高市氏の推薦人のうち、14人が旧安倍派の議員だったが、今回、石破総裁のもとで、非公認や比例重複を認められなかった議員の多くも旧安倍派だった。 「高市氏はそうした“裏金議員”などを中心に応援しているようです。石破政権がつまずいたときに“ポスト石破”として期待されている彼女は、すでに次の総裁選を見すえて、ひとりでも多くの仲間を当選させ、そして仲間を増やすことを頭に置いているようです。菅原氏の応援に駆けつけたのも、その一環ではないでしょうか。 非公認候補や、小選挙区で絶対に負けられない比例重複が認められない候補たちも、“保守のプリンセス”と呼ばれるほど保守層に人気の高市氏の、ご相伴にあずかりたいところ。 ただ、高市氏があまりにも、非主流派の議員ばかり応援し、肩入れしていては、さながら“非公認のプリンセス”ともいうべき状態になってしまいますが……」(同前) 東京9区では当初、元衆院議員の今村洋史氏が公認される予定だったが、派閥パーティー券をめぐり、収支報告書への不記載が判明したことで非公認に。それを受けて、今村氏は10月13日に出馬を断念したため、一躍、菅原氏が同区の選挙戦をリードする形になっている。 「今村氏が立候補予定の段階では、自民支持層の票が割れ、前職の立憲民主党・山岸一生氏がリードする形と思われていました。しかし、今村氏が断念したため、菅原氏と山岸氏の大接戦が予想される展開に。そのため、菅原氏としてもなりふりかまっていられません。高市氏の“虎の威”も借りたいはずです」 今回“ステルス自民党員”として戦う菅原氏。激戦を制した功績を手に、堂々と自民党に戻ってくるのか――。