ノックを受ける新医大・外山

　関甲新学生野球秋季リーグが、いよいよ最終週を迎える。現在6勝1敗で2位の新潟医療福祉大は、5日にここまで無敗の首位白鴎大と対戦。勝てば、創部12年目でのリーグ初制覇に望みがつながる大一番となる。新たな歴史を刻むべく、主将の外山俊捕手（3年＝中越）がチームを引き上げる。 　　　　◇　　　◇　　　◇ 　練習にも、発する言葉にも、自然と力が入る。外山は、初優勝へ負けられない白鴎大戦を前に、「自分たちはまだ何も果たせていない。チャレンジャー精神を忘れず。強い相手ですが、やるべきことをしっかりやる」と語気を強めた。 　自他ともに認める負けず嫌いだけに、頂点しか見ていない。リーグ上位3校が進める関東地区大学野球選手権も「3チームだから行けたと思われることがすごく嫌」と、あくまでトップ通過にこだわる。 　そんな勝利への渇望の源泉は「21年7月13日」。中越高3年の夏、正捕手を担い、チームは県V候補筆頭に挙げられていた。しかし、初戦長岡戦を前に、校内で新型コロナがまん延。部内でも広がり、1試合も戦うことなく、7月13日に大会への出場辞退を告げられた。「その時は、何が起きたか本当に分からなくて」。受け入れがたい現実を突きつけられた。 　今でも「消化は出来ていない」と素直に打ち明け、苦い思い出として残る。それでも「新潟から全国に行って勝つ」という信念を胸に県外大学からの誘いを断り、地元新潟医療福祉大への進学を決めた。 　“あの日”から3年が経ち、迎える大一番。部員200人近くを束ねる主将は「優勝するためにここに来た。一気に歴史を変えたい」と力強く誓った。上武大を17季ぶりに破り、全国へとつながる初のリーグ優勝をつかみにいく。【大島享也】 　◆外山俊（とやま・しゅん）2003年（平15）9月17日、新潟・三条市生まれ。一ノ木戸小1年から一小スターズで野球を始める。三条第二中では軟式野球部に所属。中越では1年秋から正捕手を務め、2年夏に新潟独自大会で優勝。3年夏は新型コロナまん延のため大会出場辞退。172センチ、75キロ。右投げ右打ち。血液型O。 　◆新潟医療福祉大の優勝条件　5日の白鴎大戦での勝利が絶対条件となる。6日作新学院大戦も勝って医福大が2連勝、白鴎大が2連敗の場合、医福大が初V。医福大2連勝で、白鴎大が6日上武大戦に勝利した場合は、8勝1敗で並ぶため、白鴎大との優勝決定戦となる。5、6日で白鴎大が2連敗し、医福大が1勝1敗の場合も同様に優勝決定戦となる。