闇営業騒ぎ宮迫博之、会見なし…吉本と契約解消も残る疑問は
吉本興業は19日、闇営業問題で謹慎していた雨上がり決死隊の宮迫博之について「諸般の事情を考慮し、今後の宮迫博之とのマネジメントの継続に重大な支障が生じたと判断」したとして、同社との契約を解消したことを発表した。宮迫は6月に写真週刊誌「フライデー」で、振り込め詐欺グループとの会合に参加したことが発覚。さらに今月19日発売の同誌では金塊強奪犯主犯格とされる人物らといわゆる“ギャラ飲み”をしていたとも報じられ、6月、7月と、反社会勢力との交流が立て続けに騒ぎになった。今回、いったんは会見も予定されたが、本人の意向で中止になったという。
反社会勢力との関係は? 金銭授受否定で騒動悪化
6月に報じられた内容は、宮迫が2014年12月にロンドンブーツ1号2号の田村亮(謹慎中)らと4人で、詐欺グループの主犯格の男が主催した忘年会に参加したというもの。当初、ギャラはもらっていないとして金銭の授受については否定していたが、実際には100万円もの報酬を受け取っていたことが判明し、かえって騒動が拡大した形だ。 謹慎に入った宮迫に追い打ちをかけたのが新たな疑惑。19日発売「フライデー」で2016年7月に福岡で発生した金塊窃盗グループの主犯格である野口和樹被告と並ぶ写真が掲載、大阪のキャバクラで偶然居合わせ“ギャラ飲み”の謝礼として5~10万円を受け取ったとされる。ただしこの件について宮迫は同被告との交際を否定、吉本側も「交友関係はなく問題なし」と判断しているという。
吉本興業に求められるさらなるコンプライアンス強化
THE PAGE取材班でも19日に都内で会見が開かれた場合に出動できるよういったんは備えたものの、会見は結局開かれず。宮迫は、自身の口で真相を語ることなく吉本興業を去ることとなった。 「宮迫は芸能界引退も免れない状況で、本人も熟慮していたようですが、最初の報道が出た際に報酬は受け取っていないと虚偽の説明をした時点から、吉本側との信頼関係が半ば壊れていた。謹慎、謝罪会見からの復帰という道筋もあったはずですが、互いに不信感を抱く中で会見についてもすれ違い状態となって、宮迫から吉本側に『会見はせず、契約解消でいいです』との申し出があったようです。吉本としても事ここに至っては、もはやお手上げ状態ということでしょう。マスコミ向けのFAXの文面を見ても『マネジメントの継続に重大な支障が生じた』とのことで、事実上、解雇に近いニュアンスといえます」と話すのは、民放放送局の50代関係者だ。 とにかくこれで少なくとも宮迫は、事実上の引退状態となりそうだ。多数のレギュラーを持つ売れっ子芸人だけに残念な結果となった。ネット上では、サッカー元日本代表・本田圭佑が「良い事とは言えないのはわかる」としながらも、これまで長い間、人々を笑顔にしてきた宮迫の実績は無視できないものとして「それがなかったことになるような大袈裟な事じゃないでしょう」と持論をツイートするなど、擁護する声も出ている。また、「所属タレントだけの責任では済まされない構造的な問題があるのでは?」と、タレントの待遇面はじめ吉本興業のマネジメント力自体に疑問を投げかける意見もネット上には散見され、宮迫が契約解消という形でいったんピリオドを打っても、さまざまな疑問や議論は残りそうだ。 吉本興業では一連の問題を受け、さらなるコンプライアンス強化の施策を講じているという。ただ、2011年には元タレント・島田紳助氏が反社会勢力との交際を理由に引退する騒ぎがあり、同社ではコンプライアンス強化に力を入れてきたが、その努力をもってしても今回の件を防止することはできなかったのは深刻だ。より効果的な対策が求められる状況と言えるだろう。 (文・志和浩司)