虎のソナタ 「拾得物の日」とにかくネタ拾う虎番 大忙しな移動日もホットなニュースお届けします
7連勝中の阪神タイガースは開幕当初の不振が噓のような強さをみせている。24日のDeNA戦も連勝ストップかと思われた九回に逆転して勝利。ああいう苦しい試合でも、粘って粘って白星を拾うことが連覇に向けて大事になってくる。 【写真】リニューアルした「張り子の虎」。甲子園のベンチに帰ってくる 拾うといえば、4月25日は「拾得物の日」だった。44年前の1980年、東京・銀座の路上でトラック運転手の男性が風呂敷に包まれた現金1億円を発見。警察に届けたが、6カ月がたっても持ち主が現れず、1億円は男性のものになった。税金を引いた約6600万円を手に入れ、時の人としてマスコミに取り上げられた。 なんともうらやましい話。そんな〝記念日〟だということで、何か落ちているかもしれないと思い、大阪・難波のサンスポ編集局に出社する途中、路上に気を配りながら歩いてみた。でも、発見したのは犬のふん(朝からスミマセン)だけ。そりゃそうだよな。大金を拾うことなんて、普通ではあり得ない。よこしまな気持ちの自分が恥ずかしくなった。 ちょうどその頃、サンスポの虎番たちはネタを拾うため、必死に働いていた。この日、阪神は試合がなく移動日。キャップ新里公章やサブキャップ原田遼太郎らは早朝から新横浜駅に向かった。ナイターがある日なら試合に備えて午前中はゆっくりできるのだが、移動日だとそうはいかない。大阪サンスポは試合がなくても1面から3面までタイガース。前夜は中断もあって長いゲームとなったためトラ番たちは寝不足だが、そんなの関係ない。とにかくネタを拾って読者にホットなニュースを届けることが求められている。 さらに、この日は甲子園で投手指名練習が、鳴尾浜ではウエスタン・中日戦があり、横浜からそれぞれ邨田直人と中屋友那が現場に直行。邨田が「6時51分に新横浜を出発する新幹線に乗りました」と言えば、中屋は「原田さんと一緒のホテルだったので、2人で4時57分発の電車で新横浜に向かいました」と教えてくれた。こんなに過酷な担当がほかにあるだろうか。大阪サンスポの屋台骨になっている虎番には本当に頭が下がる。 今週のタイガースは甲子園と横浜スタジアムで雨の中での試合もあり、新里は「タフな戦いが続いていたので、選手たちはさすがに疲れていると思います」という。でも、7連勝中だとその疲労感も心地よい。この日、新横浜駅に姿を現した岡田監督の様子について新里は「チーム状態がいいので、シーズン初めに比べたら表情が違いますよ」と報告してきた。