京セラドームは“悪魔の人工芝”? 人工芝が阪神の味方に
天然芝の業者も、より天然芝に近い質感やハイブリッドな性能を持ったものを追求しているからこそ、イレギュラーが生まれるのも、当然のなりゆきかもしれないが、それを味方につけるかどうかが、勝敗を左右するならば、それこそ万全の対策を練っておかねばならない。「人工芝への対応は経験しかないだろう。ノックとゲームの打球はまた違うから。あえて対策を考えるならば、こういう人工芝では、攻めていく守備を心がけるべきだと思う。上本や田中のようにバウンドを待って捕球すると、打球が跳ねる。いつもよりも意識的に足を動かして捕球すること。それは外野の守備でも同じことだ。エルドレッドが後逸したプレーも足が止まっているから、ああいうミスが生まれた」とは、掛布氏の分析。 京セラの人工芝対策が経験の量と比例するならば、フルでスタメン出場をし始めて元年となる上本や、ルーキーで、しかも、オリックスとの交流戦戦は、ほっともっと神戸で戦ったため、今季、京セラドームでの初試合となる広島の田中が、気まぐれに弾む打球に対応できなかったのも、ある意味、起こりうるミスだったのかもしれない。また、7回にゴメスのレフト前をエルドレッドが後逸する凡ミスを犯して阪神のリードが広がったが、それも京セラの気まぐれな人工芝の影響だったとすれば、死のロードを解消するために夏場は、例年、京セラドームで本拠地試合を組み、すでに交流戦も含めて5試合を、ここで戦ってきた阪神は、悪魔の人工芝を見方につけ、《準ホーム》の地の利を生かしたことになる。