ブレイキン日本代表・Shigekixの勝ち負けを超えた思い「恩返しがしたい」
Hiro10「大好きなブレイキンをみんなに見てもらいたい」
41歳ながら近年の主要イベントでタイトルを取り続けるなど、大舞台に向けて進化をしてきたAyumiも「その通りで、32人が全員違う表現をするのが一番の魅力。『ああ何かブレイキン見て、元気が出たかも』って見た人に感じてもらいたいので、みんなの踊りを楽しみにしてほしいなと思います」と明かしている。 一方、同じく6月のオリンピック予選シリーズで出場権を掴んだHiro10は、同い年で切磋琢磨してきたが出場に至らなかったISSIN(菱川一心)の思いも背負う、金メダルを獲ると公言したことで、スランプに陥ったと明かした。 「自分の言ったことに囚われて、練習がうまくいかず泣いて、コーチと相談した時期もありました。でも、何のためにブレイキンをしてるかを考え直したら、やっぱりパワームーブが楽しいからとか、シンプルに楽しいということだった。オリンピックがあってもなくても、僕のブレイキンライフには何も変わりはないし、ずっと続けていくもの。大好きなブレイキンをみんなに見てもらいたいという気持ちを一番の根本にして踊りたいと思います」
「恩返しをしたい」Shigekix選手
幼い頃から世界中のイベントでパフォーマンスを披露してきた日本のエース、Shigekixも勝ち負けを超越した思いを語る。 「ブレイキンは、多様性や個性を自由に表現することを見ている人に感じてもらえるのが大きな魅力。そういった側面に着目して楽しんでいただきたいなと。あとは、全員が全力を注ぎ込んで、その人それぞれのRoad to Parisを歩んだ先のステージがパリ。踊りから心を動かす何かを、素晴らしい瞬間を僕たちで生み出せたら最高だなと思っています。 また、僕たちブレイキンの人間がスポーツ競技の世界にかかわりはじめて、こんなにも盛り上がって、僕たちが受けたありがたい影響は計り知れない。だからこそ、オリンピックという場を通じて、スポーツの世界に革命を起こすではないですけれど、良い影響を与えて恩返ししたいという風に感じています」 オリンピック憲章では、国威発揚につながるとしてメダル獲得数を国別で競い合わないよう明示している。国を超えた選手同士の戦いなのだ。ブレイキンのメダル獲得の可能性はかなり高いが、それらとも真逆のメンタリティが根底にあるのは、スポーツの世界に革命的に良い影響を与える予感しかしない。 取材・文/松山ようこ
日刊SPA!