岡崎真氏 鍵山 細かいミスなくせば王者マリニンと戦える
◇フィギュアスケート全日本選手権第2日(2024年12月21日 大阪・東和薬品ラクタブドーム) 【岡崎真の目】鍵山は全日本初優勝へのプレッシャーを全く感じさせず、冒頭からしっかりと自分の世界に入り込んでいた。最初の4回転フリップは高さも流れも抜群で、4人のジャッジがGOEでプラス5をつけたほど。GPファイナルで失敗した4回転サルコーも素晴らしかった。後半になって4回転トーループでミスをしたが、これは勢い余ってしまったもので、決して悪いイメージではなかった。最後の3回転フリップ―2回転半ジャンプでも小さなミスがあったものの、それを差し引いても圧巻の演技だった。 やはり質の高さは彼の一番の武器で、普通に跳べば高い加点がつく。今回1つ取りこぼしたスピンも含めて細かいミスをなくしていけば、3月の世界選手権でも十分に王者マリニン(米国)と戦えるはずだ。 全日本特有のプレッシャーが影響したのか、鍵山以外の選手はミスが続出で、残る2枠の世界選手権出場争いは全く予想がつかなくなった。誰のどんな点を重視するのか、選考結果に注目したい。(ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)