【トレたまneo】プラモデル感覚で建築できる家
新しいサービスや商品の「たまご」を取り上げる「トレたまneo」。今回は住宅に関する「たまご」です。マイホームを自分で建てることができます。 栃木・那須塩原市。何やら住宅が建築されています。 「この住宅はどんな特徴があるんですか?」(長部稀キャスター) 「実はこの住宅を建てる際に大工は登場せず、施主とその家族や友人たちとまるでプラモデルのように自分たちでつくれる」(VUILDの森勇貴さん) 今回のトレたまは家を建てたい人が自ら設計し、建築できる「NESTING(ネスティング)」というサービスです。
まずは専用のアプリを使って設計します。 「建物の大きさを決めていくが、サイズは大きくしたり小さくしたりできる」(森さん) アプリはクリックするだけで操作が可能です。寝室やトイレ、キッチンの位置など、住みたい部屋の間取りを決めてサービスの担当者と相談し設計します。 設計後1カ月ほどで住宅を建てるためのキットが届きます。このキットには工夫が施されています。 「工場でパーツを加工していて、現場ではどんな人でも組み合わせるだけで家をつくることができる」(森さん)
例えば、ある柱には突起状の加工と「X7Y6」という記号が掘られています。床にも「X7Y6」と書いてあり、同じ記号が彫られた場所に柱を設置します。 「本当にプラモデルのような感覚ですね」(長部キャスター) 断熱材も隙間なく設置できるように、くぼみの加工がされているほか、梁の部分を固定するためのビスはあらかじめ開けられた穴に打ち込むだけ。足場は専門の業者が設置してくれます。ただ、気になるのは安全面です。 「安全性に不安な人もいると思うんですが、その面はどうなのですか?」(長部キャスター) 「建築基準法に適合するような耐震性を素人が作ったとしても持たせられるように、ねじがとまっているかなどのチェックも行うようにしている」(森さん) 耐震性は問題ないとしていますが、建築できるのは平屋の住宅に限られます。週末に平均10人で作業して着工から完成までは1~2カ月で、一般的な方法よりも早いといいます。価格は40平方メートルほどでおよそ1200万円です。 「家族や友人をたくさん集めてもらえれば、家を早く建てられる」(森さん) 工期を短くできる秘密は住宅キットを製造するVUILDの工場にありました。 「ソフト上で設計したものを、自動的に加工データに変換してくれるシステム」(VUILDの小川真平さん) 客が設計した住宅を独自のソフトでキット化。キットを作るためにはどんな材料が必要かを教えてくれます。こうしたデータを専用の機械に読み込ませれば、自動で加工してくれます。材料を早く正確に加工し、キットを製造することで工期の短縮に繋がるのです。 「サービスを始めようと思ったきっかけは?」(長部キャスター) 「今、建設業界は深刻な人材不足に悩まされていて、家を建てることが難しくなってきている」(森さん)
住宅の建築を担う大工の数は減少が続いていて、この20年で半分以下に。また、建設業界では残業時間の上限規制が強化されたことによる人手不足、いわゆる「2024年問題」が懸念されています。 VUILDではサービスの拡大を狙って新たな動きも。石川県の工務店「BEYOND」に住宅キットの製造拠点として稼働してもらうよう商談を進めています。今後、地方の会社と協力し製造拠点を増やしたいとしています。 「私たちの会社は神奈川県にある。そこから全国に配送すると輸送費、配送費が高くなってしまうので、将来的には加工の拠点を全国に広げていきネットワークを構築していきたい」(森さん) ※ワールドビジネスサテライト