大谷翔平の元通訳・水原一平氏の事件から見えてきたのは…? プロスポーツから違法賭博は消えないのか
プロスポーツチームが構築すべきことは?
一般企業では緊急事態や災害時に活用するBCP(業務継続計画)を作ることが推奨されている。プロスポーツチームでもそれを構築すべきである。 コンプライアンス違反や事件など、またゲームでのマスギャザリングと称される事故などにも対応し得るもので、このプロスポーツチーム用BCPを構築し、かつ定期的な訓練と並行して、選手らへの教育や研修、そしてアップデートを繰り返して、質を向上させる。 プロスポーツチームはこうした分野で課題が多いのに、このBCPの整備と関連した訓練等で遅れている。
プロスポーツ選手を取り巻く現状と課題
今回の事件では約7億円の被害とのことだが、7億円もの被害が出るまでになんとかならなかったのか、という疑問もある。 先述のBCPでも被害軽減は最重要事項で項目を入れるべきだが、ここまでの高額被害になるまで、大谷選手自身も気が付かないような手法だったのか、口座そのものを元通訳に管理させていたとしたら(あるいは容易にアクセスできるようにしていたか)、それは庶民感覚からはずれていると言わざるをえない。 個人のレベルから教育が必要なのもプロスポーツや芸能の特徴だろう。野球などには精通しスペシャリストでも世間、特に「魔の手」が手ぐすねを引くプロスポーツの「取り巻き」に、無知な状態で飛び込ませることのほうが無謀なのかもしれない。かれらは「カモ」を待っているようなものなのだから。選手自身が判断できないことに、関わらない。そして判断に迷った時に相談できる組織・機関の設置が必要だ。繰り返しだが、それは知り合いの通訳ではない。
プロフィール
古本 尚樹(ふるもと なおき) 学歴 ・北海道大学教育学部教育学科教育計画専攻卒業 ・北海道大学大学院教育学研究科教育福祉専攻修士課程修了 ・北海道大学大学院医学研究科社会医学専攻地域家庭医療学講座プライマリ・ケア医学分野(医療システム学)博士課程修了(博士【医学】) ・東京大学大学院医学系研究科外科学専攻救急医学分野医学博士課程中退 職歴 ・浜松医科大学医学部医学科地域医療学講座特任助教(2008~2010) ・東京大学医学部附属病院救急部特任研究員(2012~2013) ・公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター研究部 主任研究員(2013~2016) ・熊本大学大学院自然科学研究科附属減災型社会システム 実践研究教育センター特任准教授(2016~2017) ・公益財団法人 地震予知総合研究振興会東濃地震科学研究所主任研究員(2018~2020) ・(現職)株式会社日本防災研究センター(2023~) 専門分野:スポーツ選手やチームの危機管理・コンプライアンス・ガバナンス、防災、BCP(業務継続計画)、被災者、避難行動、災害医療、 ※キーワード:防災や災害対応、被災者の健康、災害医療、地域医療 (株)日本防災研究センター (医学博士、阪神・淡路大震災記念人と防災未来センターリサーチフェロー) 古本 尚樹 個人ホームページ https://naokino.jimdofree.com/
古本尚樹