女川原発の発電再開延期、冬の電力需給に影響せず 武藤容治経産相、再開は「安全最優先で」
武藤容治経済産業相は5日の記者会見で、東北電力が女川原発2号機(宮城県)の原子炉を機器のトラブルで停止し、発電再開を延期したことに関し「(今冬の)電力需給に直ちに影響が生じるとは考えていない」との認識を示した。 経産省は、今冬は全国で安定した水準の電力を確保できるとの見通しを示している。武藤氏は「これに女川原発2号機は計上していない」と説明した。 東北電が発電再開の時期を未定としていることについては「工程ありきではなく、一つ一つ丁寧に作業を確認しながら安全最優先でプロセスを進めてほしい」と述べた。 女川原発のトラブルは3日に発生した。東北電によると、原子炉内の中性子検出器の数値を調整する機器を炉内に送り込み、引き抜く作業中に格納容器内で動かなくなった。機器は手動で回収し、4日に原子炉を停止した。 女川原発は東京電力福島第1原発と同型の沸騰水型軽水炉(BWR)で、10月29日に東日本大震災の被災地の原発として初めて再稼働した。翌30日には核分裂が安定的に続く臨界に到達し、11月1日にタービンを起動したばかりだった。