教訓を後世へ 松本サリン事件から30年の節目にテロ対策訓練【長野・松本市】
8人が死亡した松本サリン事件から27日で30年です。松本市の消防が有毒な液体がまかれた事態を想定し負傷者の救出方法などを訓練しました。 「鼻と目がおかしいです分かりましたじゃあその位置で待機してください」 松本広域消防局の消防隊員59人が参加した「特殊災害対応連携訓練」。屋内施設でのイベント中に有毒な液体がまかれ、複数人が倒れた想定です。 駆け付けた特殊災害対応隊が、有毒ガスの検知や負傷者の救出後に除染する訓練にあたりました。 1994年に松本市北深志の住宅街で発生した松本サリン事件。オウム真理教の信者が猛毒のサリンをまき、8人が死亡、600人以上が重軽傷を負いました。 オウム真理教の教団施設に関連する裁判を妨害するため、麻原彰晃うこと松本智津夫元死刑囚の指示で裁判所の官舎が狙われました。 松本広域消防局では、サリン事件を教訓にテロ対策の訓練を毎年行っています。事件発生から30年目の今年は、例年より隊員の数を増やして訓練を実施しました。 ■松本広域消防局・武田浩明 統括警防技術指導責任者 「自分たちで危険な環境の中で、いかに安全を作り出して活動が出来るか、そんなところを目標として意識をさせながら訓練を実施している」 ■松本広域消防局・越口 警防課長 「いつ有事が起きても対応できるような組織を作っていきたい。しっかり技術と訓練を(後世)に伝えて対応できるように」 いつ起きるか分からない有事に備え、各部隊が連携を確認しました。