水川あさみ“道上”、既に清家の母と対面していたことに気付き戦慄が走った「母と子の絆は何よりも強いもの」<笑うマトリョーシカ>
水川あさみが主演を務める金曜ドラマ「笑うマトリョーシカ」(毎週金曜夜10:00-10:54、TBS系)の第4話「予言された悪夢と見えない敵の謎を追え!」が7月19日に放送された。美和子(田辺桃子)が“真中亜里沙”という名前で書いたシナリオ「最後に笑うマトリョーシカ」はまるで予言の書。その中に新たなキーパーソンが描かれていた。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】病院で第2の謎の女(真飛聖)と擦れ違い、少し気になった様子の道上(水川あさみ) ■人間の欲望と謎が絡み合うヒューマン政治サスペンス 同ドラマは、日本推理作家協会賞や山本周五郎賞など数々の受賞歴を持つ早見和真が2021年に発表した同名小説が原作。抜群の人気を誇る若き政治家と有能な秘書の“得体の知れない不気味さ”に気付いた新聞記者が、彼らを取り巻く黒い闇に迫るヒューマン政治サスペンス。 印象的な笑顔とリベラルな言動で人気を集め、未来の総理候補との呼び声も高い若き政治家・清家一郎(櫻井翔)と、そんな彼を支える有能な秘書・鈴木俊哉(玉山鉄二)。その2人の奇妙な関係を暴こうと、新聞記者である道上(水川)は、彼らの隠された過去を探っていく。 道上の社会部時代の先輩記者・山中尊志を丸山智己、道上の後輩記者・青山直樹を曽田陵介、道上の元夫・旗手健太郎を和田正人が演じる他、謎の女役で高岡早紀が出演。 さらに、清家と鈴木の福音学園時代の同級生・佐々木光一を渡辺大、大手新聞社社会部の敏腕記者だった経歴を持つ道上の父・兼高を渡辺いっけい、清家の実父で、官房長官を務めた経験もある有力代議士・和田島芳孝を加藤雅也、明るく前向きで肝がすわっている道上の母・香織を筒井真理子が演じている。 ■シナリオ「最後に笑うマトリョーシカ」に唐突に現れる“母親” 道上(水川あさみ)は、美和子(田辺桃子)が書いたシナリオ「最後に笑うマトリョーシカ」を手に入れた。そこに書かれていた内容は、代議士になった清家(櫻井翔)とその秘書になった鈴木(玉山鉄二)をモデルにしたと思われる若い男性2人の物語だった。 秘書が代議士をコントロールしようとし、それがうまくいっていたが、代議士の妻が夫を巧みに操り、秘書を出し抜き、次第に妻が主導権を握るようになっていく、という展開。このシナリオの中にも、ヒトラーをコントロールしていたと言われるエリック・ヤン・ハヌッセンについての記述があった。そして、ハヌッセン気取りの秘書がハヌッセンと同じ43歳で投身自殺すると書かれていた。現実の世界では、43歳の鈴木が交通事故に遭い、一命は取り留めたが、まさにそのシナリオ通りの展開になっている。まるで予言の書のように。 このシナリオを入手したことで新たな謎が生まれた。一つは、シナリオの作者の名前が“三好美和子”ではなく“真中亜里沙”だったこと。そして、物語のラストに、唐突に代議士の母親が登場しているということ。 ■美和子と亜里沙は幼なじみだが、仲が良いわけではなかった 政界からの圧力なのか、これ以上の詮索は出来なくなった。しかし、道上は父親の死にも関わることなので諦めることが出来ず、辞表を出してフリージャーナリストとして調査続行を決意した。 道上が、群馬にある真中亜里沙の実家を尋ねると母親が一人で暮らしていた。亜里沙とは20年以上会っておらず、行方不明者届けを出したが何の連絡もないという。“三好美和子”の名前を出すと、その人物は亜里沙の幼なじみということが分かった。それと、中学生か高校生の頃に“三好美和子”の名前を使って、原稿用紙にいくつかのシナリオか作文のようなものを書いていたことも分かった。 亜里沙と美和子は幼なじみではあるが、仲が良かったわけではなく、亜里沙は美和子にいじめを受けていたことも同級生だった男性の話から判明した。しかし、他の同級生たちは亜里沙について聞かれても口が重く、結局、それ以上の収穫はなかった。 ■ 清家の母親を探しに愛媛に行った道上だが、実はもうすでに会っていた 次は清家の母親のことを調べようと思った道上は、鈴木に美和子に関する新しい情報、つまり美和子は偽名で“真中亜里沙”が本当の名前だったことを教え、交換条件として清家の母親の名前を聞き出した。母親の名前は“浩子”だった。 母親について何か情報を得ようとした道上は愛媛へ。実家は空き家になっていたが、近くの寺の住職に話を聞くことが出来、写真も見せてもらえた。その写真を見て、道上は驚いた。愛媛に来る前日、母親のお店に客として来ていた女性(高岡早紀)だったからだ。 ここで一気に、清家の母親・浩子の存在がクローズアップされることとなった。 ■清家をコントロールしているのは母親の浩子なのだろうか 政治家の清家一郎を裏で操っている人物は誰なのか。最初は、学生時代から成績優秀だった秘書の鈴木が怪しいと思われていた。しかし、清家の大学時代の恋人・美和子…本当の名は亜里沙だったが、「27歳」という年齢にこだわっていた彼女がコントロールしていたのではないかというふうに変わっていった。 前回の中でも、高岡早紀が演じる“謎の女”が登場していたが、多くの視聴者が“美和子/亜里沙”だと思っていたことだろう。しかし、その女性は清家の母親・浩子だった。 鈴木の回想の中で、清家を取り巻く浩子と亜里沙のいびつな関係性が描かれていて、その時は亜里沙の方が主導権を握っていたように見えたが、その後、関係性が逆転したのかも知れない。 テレビに映った清家が「逆境は力。信じた道を突き進めばいい」と話していたが、道上も母親の店で浩子から同じ言葉をかけられていた。そして、「母と子の絆は何よりも強いもの」という浩子の言葉も思い出し、戦慄が走った。 開ければ一回り小さな人形が現れてくるマトリョーシカのように、物語が進むたびに“謎の人物”が登場してくる。探しても見つけられない“亜里沙”と、それとは対照的に、探す前に近くに現れた“浩子”。どちらの存在も不気味過ぎる。 ◆文=ザテレビジョンドラマ部 ※兼高の高は正しくは「はしご高」