阪神・金本新監督が鳥谷に異例指令。「鉄人記録を継承せよ!」
阪神の金本知憲新監督(47)が、2016年のキーマンに挙げたのが、誰でもない今季13年目となるベテランの鳥谷敬内野手(34)だった。 「まだまだ出せるものがあるのに、今年はプレーに気迫を感じなかった。彼が引っ張ってもらわねば困る。本人にも直接話をした」 昨季は、打率.281、6本、42打点、69得点、9盗塁の数字。42打点は、2004年のルーキーイヤー以来の最低の数字。出塁率の.380は、リーグ4位の数字をキープしていたが、得点圏打率が.265と低かった。1番での起用が多かったこともあるが、負けている展開、同点の展開での得点圏打率はさらに低く、頼りになる存在ではなかった。 金本新監督が、その鳥谷に物足りなさを感じて奮起を促すにも理解できる。 そしてファンを含めて関係者の関心は、金本新監督が鳥谷の記録をどう扱うかの方針だ。現在、鳥谷の連続試合出場記録は、1609試合で歴代2位の記録を持つ金本監督の1766試合に迫る。連続フルイニング出場は575試合で昨季の最終戦で松井秀喜(巨人)を抜いてプロ野球歴代単独4位となった。 鳥谷が1年を通じてコンディションと調子を維持してくれれば、これらの記録を続けることに何の問題もないが、昨季はその記録継続が采配の足かせになった部分も否めなかった。6月下旬に背中を痛めたが、和田監督は記録に配慮、2試合7番に打順を下げ、その後も12試合、6番でスタメン出場を続けさせた。 本来ならば欠場させるべきだったが、連続試合出場、連続フルイニング出場の記録がかかっていたため、負担のかからぬ打順で出場を続けさせた。関係者の間では、「記録にこだわらず、休ませたほうがチームのプラスになる」という意見もあったほどだ。 では、金本新監督はどうする考えなのか? 「鳥谷は、記録を優先させたい。連続試合出場とフルイニング出場という記録を続けることがチームの勝利につながる。その気持ちを大事にしてやりたいし、力を出せる」 新鉄人継承指令である。