「まんが日本昔話」を手掛けた男性 故郷で続ける子どもたちの「自由画教室」 新たな挑戦も
第一線で活躍するさなか、故郷に帰ってきた玉井さん。 そうして新たに挑戦したのが、「アトリエKu」の活動でした。 玉井詞さん 「そうだなぁ、人生振り返ってみて、こんな楽しい、創造することの楽しさをやっぱり誰かに伝えないかんのかなって言うのがあって。 子どもたちはもう才能の原石なんですね。どうすればどうなるかなんて分からないし、見守ることもあれば、多少の指導なり、サポートなりをしながら、その子の持ってるものを引き出してあげたいっていうのがありますね。」 そしてもう一つ。 故郷に帰ってきた玉井さんに大きな影響を与えたのが… 「まだまだいってよ、隙間いっぱいあるよ」 米子市内の障がい者支援施設、もみの木園。 様々な素材を用いて利用者が自由に作品を作る創作活動を行っており、玉井さんもアート支援員としてサポートを行っています。 作品のアドバイスを行う中で、ある日、利用者同士の合作を勧めてみたところ、これまでにない新しいものが生まれたといいます。 そのコラボレーションに刺激を受けたという玉井さんは… 玉井詞さん 「これ、もう少し誰かが関わるとランクアップするのになぁと思ったときに、『いや待てよ、じゃあそれ僕がやればいいんだ』って。これ僕が仕上げたらいいんだ、そこから始まったんですよ」 利用者と玉井さんのコラボレーション作品は「もみの木アートアンサンブル」と名づけられ、数々の作品展にも出展。 米子市美術展覧会では去年・今年と2年連続で最高賞である「市展賞」を受賞しました。 故郷に帰ってからおよそ30年。 指導者としての活動を経て、玉井さんは70歳から創作活動を再びスタートさせました。 若い時はモノクロを中心とした作風でしたが、今の玉井さんが描くのは色鮮やかな作品たち。 昨年9月にはフランスやスペインのアートフェアに出展するなど、表現者として、再び精力的に活動を続けています。 玉井詞さん 「自分の作家活動も、もっともっと広げていきたい、色々なところで個展とかねしていきたいなっていう想いはありますね」
地元の子どもたち、障がいのある人たちと共に… 生涯現役を目標に、玉井さんはこれからも自らの表現を磨き続けます。
山陰放送