「ばあちゃん、俺行く」避難所の祖母と球児の約束…日本航空石川がセンバツ甲子園へ
北陸放送
今年3月に開幕する春のセンバツ甲子園について、日本高野連は26日に開いた選考委員会で、日本航空高校石川と星稜高校を代表校に決定すると発表しました。 【写真を見る】「ばあちゃん、俺行く」避難所の祖母と球児の約束…日本航空石川がセンバツ甲子園へ ■センバツへの希望 チームを襲った能登半島地震 去年行われた北信越大会で3位になり、春のセンバツ大会出場が有力視されていた航空石川。 しかし、能登半島地震で輪島市の校舎にはひびが入り、学校生活が送れない状態に。断水は今も続いている状態です。 ■ 「みんなの思いを乗せて」球児たちに吉報 チームは、今月15日に山梨県の系列校日本航空高校に拠点を移しその3日後に練習を再開。そして26日午後、部員たちはユニフォーム姿で集まり、吉報を待ちます。 そして…。 選考委員会「北信越地区は星稜高校・敦賀気比高校・日本航空石川を選出いたしました。」 野球部の中村隆監督は「元旦からこんなことになるとは…思ってなかったですけど、みんなの思いを乗せて思い切って頑張ってくれると思います」と、山梨の学校に集まった全校生徒を前に、涙ながらに話しました。 また、野球部2年の寳田一慧主将は「甲子園という舞台を目指してやってきたので舞台に立てるということに本当にうれしく思う」と、喜びを語りました。 一方輪島市では、学校に残った職員や支援に来ていた自衛隊員らが山梨の生徒たちにオンラインでエールを送ります。 青木洋介校長「能登空港キャンパスは我々で守りますので、野球部のみんなは甲子園で思いっきり暴れてきてください!!」 ■「小さいころからの夢」避難所の祖母へ思い胸に… 決定の瞬間を涙ながらに見守ったのは七尾市出身の2年生、福森誠也選手。 福森選手は、震度7を観測した輪島市の祖母の家で被災し、その後1週間ほど七尾市の避難所で祖母とともに生活していました。 山梨に移動した今月18日には、「自分にできることは野球だけなので、その野球を通して被災地の方々に勇気や元気を届けられたら」と話していました。 避難所で生活を続ける祖母の早瀬舞子さん(67)は「孫が6人おる中でいちばんやさしい子や。本当は行きたくないと言っていた。ばあちゃんが心配、みんなが心配だから嫌やと言っていた。家に帰って父親と話をして納得させたんか、ばあちゃん、俺行くって言って。」
福森誠也選手はセンバツ出場を受け「小さいころからの夢だったのでセンバツで一生懸命頑張りたい」と、意気込みを話してくれました。 復旧作業を続ける輪島市民にもようやく明るい話題が届きました。 輪島市民は「うれしい、やっと明るいニュース。応援します!」「みんななかなか自分のことで必死だと思いますが私も今聞いてうれしい」と話しました。 コロナ禍で中止となった2020年以来、4年ぶり3度目の選出となった航空石川。 たくさんの人の思いを乗せて、大舞台に望みます。 「元気だったり気迫あふれるプレーをしようと思っているのでそういう部分を見てもらえたらうれしい」(航空石川野球部・寳田一慧主将)
北陸放送