整形外科で受けられる「再生医療」はご存じですか? 種類・効果・リスクも医師が解説!

近年、再生医療に関する研究は目覚ましい勢いで進んでおり、様々な領域で成果を上げています。特に、整形外科の領域では自分の血液や細胞を使った再生医療もおこなわれており、プロのアスリートも多く実践しています。今回は、整形外科で受けられる再生医療の種類や効果などについて、「リペアセルクリニック東京院」院長の藤間先生に解説していただきました。 ［この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております］

整形外科で受けられる再生医療とは? 種類・効果・メリットを解説

編集部： まず、再生医療について教えてください。 藤間院長： 再生医療は、病気やケガで機能不全に陥った組織や臓器に対して、細胞や人工的な材料を併用して機能の修復・再生を図る医療のことを指します。簡単に言えば、「もともと人間に備わっている自然治癒力を最大限生かして、失われた機能を回復させる医療」です。 編集部： 再生医療では「幹細胞を使う」と聞きます。一体、幹細胞とはなんですか？ 藤間院長： わかりやすく説明すると、「色々な組織や臓器になれる未分化な細胞」のことです。幹細胞には、元来体内に存在している「体性幹細胞」、受精卵から作製される「ES細胞」、人工的に作製される「iPS細胞」の3種類があります。 編集部： 再生医療には、どのようなメリットがあるのですか？ 藤間院長： 痛みの改善や組織の修復・再生などを期待できることが、メリットとして挙げられます。特に、薬剤などの治療法ではあまり効果が得られなかったケースでも、大きな効果を見込むことができるのは、再生医療のメリットと言えるでしょう。また、これまでは手術しか治療手段がなかった人でも、再生医療をおこなうことで手術をせずに済む場合もあります。 編集部： そのほかにも、メリットはありますか？ 藤間院長： 治療法にもよりますが、日帰りで処置が可能なこともありますし、入院が必要になることもありません。そのため、「とにかく忙しい」「長く家を空けられない」「今は手術を受けられない」「早期治癒を目指したい」といった悩みやニーズに適した治療法だと思います。 編集部： 再生医療には多くのメリットがあるのですね。 藤間院長： そうですね。ほかにも、「患者さん自身の血液や組織（脂肪など）から製造するため、拒絶反応やアレルギーが起こりにくい」「安全性が高く、何度でも治療を受けることができる」「体への侵襲が低いため、高齢者などでも治療が受けられる」といったメリットもあります。