巨人で最多221勝の別所毅彦、1952&56年にはシーズンMVP 解説者としてもお茶の間の人気者に
創立90周年を迎えた巨人。巨人での出場試合が多い野手、投手を中心に記録にも記憶にも残る歴代の「偉人」を紹介します。第10回は別所毅彦。 【写真】阿部慎之助監督が語る「ザ・ベストシーン」34万人が集結 09年日本一銀座パレード「ゾクゾクした」 * * * 巨人在籍中に最も勝ち星を稼いだのは221勝の「ベーやん」こと別所毅彦(昭)だ。ちなみに生え抜き最多は中尾碩志の209勝である。 1922年10月1日、兵庫県生まれ。滝川中から42年、巨人と南海の間に二重契約が発生し、結局南海に入団。43年にノーヒットノーランを達成するなど、2度の優勝にエースとして貢献した。49年、南海との契約交渉が決裂し、巨人に移籍。「別所引き抜き事件」として波紋を呼んだ。 52年に自己最多の33勝を挙げ最多勝、MVPに加え、シリーズMVPも獲得。55年には最優秀防御率、沢村賞(47年に次ぎ2度目)、シリーズMVP。翌56年にも27勝で最多勝と2度目のシーズンMVPに輝く。 59年、スタルヒンに次ぎ2人目の通算300勝を達成。60年に310勝(南海で89、巨人で221)まで伸ばし、オフから兼任コーチとなり61年に引退した。 打撃も素晴らしく通算500安打、35本塁打、打率・254、248打点。巨人在籍の13年間に限っても投手としては最多の285安打、26本塁打を放っている。 62年から投手コーチ、68~70年はサンケイの監督も務めた。79年に野球殿堂入り。解説者としては好々爺(こうこうや)の風貌(ふうぼう)で、豪快な笑いでお茶の間の人気者に。99年に76歳で亡くなった。
報知新聞社