【イギリス総選挙2024】 イギリスの投票所でしてもいいこと、いけないこと 自撮りは? 犬は?
ジェニファー・クラーク、BBCニュース イギリスで4日、下院(定数650)の総選挙が行われる。 投票所で直接投票する場合、投票所でしてもいいことと、してはいけないことに、どういうものがあるのだろう。 ■投票には投票カードが必要? どの投票所でも投票できる? 有権者として登録されている人には、自分の選挙人登録番号と投票所の位置など詳細が記載された投票カード(入場整理券)が送付される。 この投票カードを持っていく必要はないが、持参すると手続きが早くなるかもしれない。 有効な写真付き身分証明書は、持参する必要がある。 投票は、地元の投票所でしかできない。その場所は、以前の選挙と同じではないかもしれない。 最寄りの投票所を、オンラインで探すこともできる。 投票受付は現地時間4日午前7時から、午後10時まで。午後10時までに列に並んでいれば、投票できる。 ■自分のペンや鉛筆は使える? 筆記用具は用意されているが、自前のものを持参して使うこともできる。 ■自撮りしていい? イギリスの選選挙管理委員会は、投票の秘密が守られない恐れがあるとして、投票所内での写真撮影を禁止している。 他人がどのように投票したかを明らかにした場合、たとえ偶然でも、最高5000ポンド(約103万円)の罰金または禁錮6カ月の刑が科せられる。 投票所の外でなら、写真撮影は問題ない。 ■自分がどう投票したか、ソーシャルメディアに投稿してもいい? それはできる。ただし、投票所の中ではソーシャルメディアのアカウントを更新しないよう、有権者は求められている。 ただし、郵便投票についてはルールが異なる。有権者が望むなら、自分の郵便投票用紙の写真をソーシャルメディアで共有してもかまわない。 ■ペットを連れて行ってもいい? 補助犬を除き、動物は通常、投票所に入れない。 ただし、自治体ごとの判断で、補助犬ではない犬が入場できることもある。 ■政治的な服を着てもいい? 選挙管理委員会によると、投票のために投票所に入る際に政治的スローガンを身につけることを禁止する法律はないという。 ただし、投票所内での選挙運動は禁止されているため、投票後はすぐさま退出する必要がある。 ■候補者について投票所で話をしてもいい? 投票所内での政治的な議論は禁止されている。 候補者や政党に関する発言を投票所スタッフが耳にした場合、介入する。 ■子供を連れて行くことはできる? 民主主義について子供に教える一環になるため、子供を投票所に連れて行くことは奨励されている。 ただし、子供が投票用紙に印をつけることは禁止されている。 ■飲酒した後でも投票できる? 投票所に来る前に飲酒していた人も、酔っている人も、迷惑行為や妨害行為を行わない限り、投票できる。 ■体が不自由な人は手助けを受けられる? 投票所スタッフが手伝うすることもできるし、誰かに付き添ってもらうこともできる。 イングランドでは、18歳以上ならば誰でも投票を手伝うことができる。その選挙で投票する資格がなくてもかまわない。 投票所には、視覚障害者を支援するために、大きな活字の投票用紙の見本や、点字など触れて投票できる装置が設置されているはず。 携帯電話を投票所に持ち込み、拡大鏡や音声読み上げアプリを使ったり、手元を明るくするために携帯電話のライト機能を使ったりすることもできる。 ただし、投票所内での写真撮影は禁止されている。 ■投票は、しなくてはならない? イギリスの選挙では、投票は義務ではない。 投票するかどうかはすべて、有権者本人次第。 ■投票用紙を無効にしても良い? 例えば、投票用紙に抗議のメッセージを書くなどして、わざと自分の投票を無効にする人がいる。 これは記録されるものの、どの候補者の得票にも、反対票にもならない。 自分の名前が特定できる形で投票用紙に署名した場合、無効票になる。 ■投票所の外にいる人の質問に答える必要がある? 投票所の外に「テラー」と呼ばれる人が立っていて、投票カードの選挙人登録番号を有権者に尋ねることがある。 この人たちは、候補者のために働くボランティア・スタッフ。投票所の前で情報を集め、誰が投票したかを確認する。そうすることで、まだ投票していない人に投票を働きかけることができる。 「テラー」が有権者に、選挙人登録番号を尋ねることは認められている。しかし、有権者が教える必要はない。 (英語記事 Selfies, dogs and drinking: What can't you do in a polling station? )
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