<春に挑む・’20センバツ創成館>チーム力/2 打線に増した勝負強さ /長崎
2019年秋の九州地区大会を無失策で終えるなど、堅守が持ち味の創成館。一方で、打撃力の向上にも余念がない。2月中旬、諫早市の野球部グラウンドにはティーバッティングに励む選手らの姿があった。上原祐士主将(2年)は「全国では甘い球を一つでも逃せば負ける」と、仲間と共に黙々とバットを振り込む。 【動画】センバツ出場校、秋季大会熱闘の軌跡 九州地区大会県予選は6試合で計33得点したが、決勝では2―4で大崎に敗れた。上原主将は「あと一本一打が出なかった」。雪辱を期して、選手たちは一日約300本のティーバッティングなどに汗を流し、寮に戻った後も素振りに励んだ。九州地区大会では好機の一打で接戦を制し、4強入りした。 稙田(わさだ)龍生監督が打撃のキーマンに挙げるのは、九州地区大会で一番打者を務めた田中雄大(2年)▽個人打率チームトップの猿渡颯(同)▽準々決勝で決勝打を放った四番、松永知大(1年)――の3選手だ。 田中選手は俊足と出塁率の高さが持ち味で、稙田監督は「いつも攻撃の流れを作ってくれる」と評価。九州地区大会では全試合で初回に出塁し、セーフティーバントなども巧みに決める。田中選手は「センバツでも初回で必ず出塁し、後続につなげたい」と語る。 松永選手は19年夏の県大会で、入部から約3カ月で一番打者を任された。しかし鎮西学院との準々決勝では、2点を追う八回2死一、二塁で回ってきた打席で、見逃し三振を喫し「後続の先輩たちにつなげなかった」と悔やんだ。 素振りで基礎を鍛え直すと共に、投手も務める松永選手は、「自分ならこの場面でどう投げるか」と打席で考えるようにした。九州地区大会では3試合全てで長打を放ち、準々決勝では4強入りを決めるサヨナラ適時二塁打を打った。「勝負弱さを克服し、次の球も読めるようになってきた」と胸を張る。 チームは今年から「ミドルティーバッティング」も実施。数十メートル離れたネットを狙ってライナー性の球を打ち込み、その速度や回転なども確認する。上原主将は「春に向け、コンパクトで強力なスイングを実現したい」と意気込んでいる。 〔長崎版〕