巨匠パトリシオ・グスマンがチリの新しい運動を捉えた「私の想う国」
「チリの闘い」の巨匠パトリシオ・グスマンが、チリで起きたリーダーもイデオロギーも不在の新たな運動を捉え、第75回カンヌ国際映画祭で特別上映されたドキュメンタリー「私の想う国」が、12月20日(金)よりアップリンク吉祥寺ほか全国で順次公開される。ポスタービジュアルが到着した。 2019年10月、チリの首都サンティアゴで、地下鉄料金の値上げ反対に端を発した民主化運動が起きる。中心となったのは若者と女性で、リーダーもイデオロギーもないその運動はうねりと化し、尊厳ある生活を求める150万の人々のデモに発展。同国の保守的・家父長的な社会構造を揺るがしていく──。
目出し帽に鮮やかな花をつけてデモに参加する母親、家父長制に異を唱える4人の女性詩人、先住民族マプチェの女性で初めて重要な政治的地位についたエリサ・ロンコンなど、多くの女性にインタビューを実施。グスマン監督のナレーションも加わり、観る者を革命に立ち会うような体験に誘う。過去の記憶との往来を重ね、かつて想像した国の実現への願いを込めた、重厚にして詩的な注目作だ。
「私の想う国」
監督:パトリシオ・グスマン 原題:MI PAIS IMAGINARIO 英題:My Imaginary Country 2022年/チリ・フランス/83分/スペイン語 /5.1ch/1:1.85 日本語字幕:比嘉世津子 配給:アップリンク ©Atacama Productions-ARTE France Cinema-Market Chile/2022/ 公式サイト:https://www.uplink.co.jp/watashino/