商船三井G、LNG焚きフェリー進水。「さんふらわあ かむい」、大洗―苫小牧投入
商船三井グループの新造LNG(液化天然ガス)燃料フェリーの命名・進水式が11日、内海造船の因島工場(広島県尾道市)で開かれた。式典で同船は「さんふらわあ かむい」と命名。竣工は12月を予定し、首都圏―北海道航路(大洗〈茨城県〉―苫小牧)の深夜便に投入される。LNG焚(だ)きである同船の運航を通じ、商船三井グループは顧客・社会の環境負荷低減のニーズにも応えていく方針。 晴天に恵まれた中、式典には商船三井グループと内海造船関係者だけでなく、一般見学者も含め総勢約200人が参加。全長199・4メートル、1万5600総トンという既存船より大型化した同船の迫力ある進水を、間近で体感した。 荷主企業を代表してセコマ(札幌市)の丸谷智保会長が「さんふらわあ かむい」と命名、妻の道子さんが支綱切断した。 「さんふらわあ かむい」は商船三井が保有し、商船三井さんふらわあが運航する。12月竣工、2025年初頭の営業航海を目指す。既存船「さんふらわあ だいせつ」「さんふらわあ しれとこ」のいずれかのリプレース(代替建造)船という位置付けで、旅客定員は157人、乗用車50台、トラック155台の積載が可能。 LNGを燃料とし、重油焚きより環境負荷を低減できるほか、推進効率の高い高性能エンジンなど最新鋭の技術を搭載。トラックドライバーの利用増も念頭に、客室を全室個室化し、モーダルシフトの進展にも備える。 商船三井グループはLNG燃料フェリーについて、既存の「さんふらわあ くれない」「さんふらわあ むらさき」の2隻のほか、今回の「さんふらわあ かむい」と建造中のもう1隻を加え、近く4隻体制とする方針。
日本海事新聞社