ジョン・カーペンターやギレルモ・デル・トロでも叶わなかった『大アマゾンの半魚人』現代リメイクに、ジェームズ・ワンが挑む!
「ソウ」シリーズや「死霊館」シリーズを生みだしたジェームズ・ワンが、ユニバーサル・モンスターズの名作『大アマゾンの半魚人』(54)のリメイク版を手掛けることになりそうだ。現在、同作の監督就任に向けた初期交渉中であると、「Deadline」など全米複数メディアが報じている。 【写真を見る】多くの巨匠がリメイクを目指して70年…『シェイプ・オブ・ウォーター』の原点ともいえる『大アマゾンの半魚人』とは 『縮みゆく人間』(57)などでも知られるジャック・アーノルド監督がメガホンをとった『大アマゾンの半魚人』は、アマゾンの奥地で発見された化石をもとに調査に向かった探検隊が、半人半魚の怪物“ギルマン”と遭遇。なんとか捕獲したギルマンと戦いを繰り広げる物語。当時流行していた3D映画として製作され大ヒットを記録し、『半魚人の逆襲』(55)、『半魚人我らの中を往く』(56)と続編も製作された伝説の怪奇映画だ。 2010年代にユニバーサルでは、ユニバーサル・モンスター作品をリブートする“ダーク・ユニバース”と題したシェアード・ユニバース企画を始動させ、そのなかの一本として『大アマゾンの半魚人』も予定されていた。しかしユニバースの第1作となった『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』(17)の失敗を受け、プロジェクト全体が見直しとなり、しばらく棚上げ状態となっていた。 それ以前から幾度となくリメイクの話が持ち上がるも、一度も実現に漕ぎ着けたことがない同作。これまで挑んだ監督たちはジョン・カーペンターからピーター・ジャクソン、アイヴァン・ライトマン、ギレルモ・デル・トロら錚々たる顔ぶればかり。なかでも幼少期に本作を観て影響を受けたデル・トロ監督は、リメイクに向けて動いていた際に構築したアイデアを『シェイプ・オブ・ウォーター』(17)に活かしたともいわれている。 今回の報道によれば、リメイク版は「オリジナルに敬意を払いつつ、生々しい恐怖に傾倒した地に足のついた現代版リメイク」になるとのこと。今年1月にブラムハウス・プロダクションズと合併したアトミック・モンスターを通してプロデューサーも務めるワン。監督に就任すれば『マリグナント 狂暴な悪夢』(21)以来のホラー作品となる。ホラー映画界の名匠の手で、70年越しの初リメイクが実現するのか大いに楽しみだ。 そんなワンは、スティーヴン・キングの短編小説を原作に、古びたオモチャのサルの恐怖を描く『The Monkey』が来年2月に北米公開を控えているほか、「死霊館」ユニバースのフィナーレを飾るメインシリーズの第4作や、キング原作の「呪われた町」の再映画化など、現時点で20を超えるプロデュース作品が待機中。今後もワンの手掛けるホラー作品から目が離せなくなりそうだ! 文/久保田 和馬