繊維業タッグ、新作ハンカチタオル共同開発 奥会津昭和村振興公社と浅野撚糸(福島県双葉町) からむし糸の弱さ克服
3者は2月に福島市で行われた表彰式で顔を合わせた。浅野撚糸双葉事業所(双葉町)を見学するなどしてそれぞれの技術や事業に理解を深めた。互いの顧客に製品の魅力を伝え合う共同販売会なども想定しており、11月にはアジアの服飾関係者が集う台湾の展示会に昭和村がブースを設ける予定だ。 繊維産業は安価な輸入品に押されて縮小傾向にある一方、高品質の素材は海外から評価されている。県内には会津木綿や伊達ニットなど、地域に根差した繊維技術が数多い。浅野さんは「連携を深め、世界に売り込む」と販路開拓に意欲を示す。紺野機業場社長の紺野峰夫さん(41)も「輪を全県に広げ、PRしたい」と広がりを見据える。 ◇ ◇ 新産業創出を目指す福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想を背景に、浜通りをはじめ被災地には多くの企業が進出している。中通りや会津地方に構想の効果をいかに波及させるかが課題だ。
舟木幸一昭和村長は「会津の地から被災地の復興に関わる」と決意。振興公社と浅野撚糸の連携を後押しした福島イノベーション・コースト構想推進機構の理事長補佐、伊藤泰夫さん(66)は「3者の取り組みは先行例となる」と構想の趣旨にかなった動きと強調する。県も企業間連携を後押しする考えだ。 ■ハンカチタオル販売中 奥会津昭和村振興公社と浅野撚糸によるハンカチタオルは昭和村の道の駅からむし織の里しょうわ、昭和温泉しらかば荘で販売している。1枚1430円(税込み)。からむし織の里しょうわのウェブ通販サイトでも扱っている。浅野撚糸は近く、双葉町の双葉事業所で販売を始める予定。村内の2施設では村のマスコットキャラクター「からむん」のデザインを縫い合わせたハンカチタオルも1枚千円(同)で購入できる。問い合わせは振興公社へ。