自宅の漬物石、実は化石だった!カニと同じ甲殻類チタスナモグリの可能性が大
1900万年前の地層から出た?!
長野県佐久穂町地学同好会の市川健さん(67)=大日向=が、自宅で使わなくなった漬物石の鑑定を専門家に依頼したところ、甲殻類「チタスナモグリ」の可能性の高い化石だと分かった。県内では飯田下伊那地域で発見例はあるものの、他地域では珍しいという。岩質から、大日向一帯に広がるおよそ1900万年前に形成された地層から出たとみられる。 【アップ写真】実は化石だった漬物石。よく見ると、カニのハサミのように見える部分がある チタスナモグリは、エビやカニなどと同じ十脚甲殻類に分類される。今回の化石は片方のはさみの部分。長野市の戸隠地質化石博物館学芸員の田辺智隆さん(62)は「スナモグリの仲間は巣穴化石が各地で発見されているが、体の一部が見つかることはなかなかない。東北信地方では初めてではないか」。深海に生息していたことから、地層の付近にはかつて深い海が広がっていたと推測されるという。 鑑定した千葉県立中央博物館(千葉市)学芸員の加藤久佳さん(59)は、現時点では「チタスナモグリと比較される種類」と説明。今後、別の部位の化石も見つかれば、今回の化石もチタスナモグリと断定できるという。
漬物石は義理の母が数十年前に入手
チタスナモグリとみられる化石の漬物石は、市川さんの妻の母が数十年前に地元で手に入れたという。市川さんが化石らしい部分があることに気づいて鑑定を依頼した。「たくさんの人たちに協力してもらって化石だと分かった。この辺はいろいろな化石が出てきて面白い」と話している。 化石は町内の「むかしたんけん館」で来年1月31日まで展示。火、木曜の午前10時~午後3時に開館している。