ジュビロ磐田がJ1で5年ぶりの連勝…FWペイショットが来日1&2号「完璧な形を出せたと思う」
◆明治安田J1リーグ ▽第7節 磐田3―0京都(7日・サンガS) ジュビロ磐田は京都を3―0で下し、J1では19年11月以来の連勝を飾った。後半6分、移籍後初スタメンに抜てきされたDF西久保駿介(20)のJ1初ゴールで先制。さらに同20、26分に今季加入したFWペイショット(28)が来日1&2号を立て続けに放り込んで突き放した。守備も最後まで踏ん張り、J1では18年10月以来の2試合連続無失点で締めた。 *** 紫に染まるサンガSをジュビロ劇場に変えた。磐田は前半立て続けのピンチをしのぐと、後半だけで3発をぶち込む猛攻を披露。J1では5年ぶりの連勝、6年ぶりの2試合連続無失点をマークし、横内昭展監督(56)も「自信になる。本来もっとスマートに守りたいが、諦めずスプリントしてくれた」と粘り強く戦った選手をたたえた。 チームとして底力を見せた。不動の左サイドバック・松原が故障で欠場。移籍後初先発に抜てきされた西久保は前半守備で苦戦したものの、後半6分、右CKから均衡を破るヘディング弾をぶち込んだ。プロ3年目で挙げたJ1初ゴールに「自分でもびっくりです」。この日はアシストも含め全3得点にからみ「結果を残してやろうと思っていた」と満面の笑みを浮かべた。 開幕からノーゴールが続いていた助っ人も爆発した。前半、PKを失敗したペイショットだが、後半20分、西久保の右クロスを頭でねじ込み来日1号。6分後にも再び右クロスをヘディングで沈めた。「PKのこともあり苦しい時間だったが、仲間がハーフタイムに励ましてくれた」。前節(3日)の新潟戦前、首脳陣から自身の過去のプレー動画を見せてもらい、クロスに対してニアに入り込む動作が足りていないことを指摘されていた。「支えてくれたスタッフに感謝したい。完璧な形を出せたと思う」と表情を緩めた。 FWジャーメイン以外の選手が得点したのは5試合ぶり。3連敗からの2連勝で息を吹き返したチームは11位に浮上した。中3日の連戦を終え、次は13日にホームで名古屋と対戦する。ペイショットは「この先も連勝を目指して貢献していきたい」と力強く宣言した。 (武藤 瑞基) ≪ちょっといい話≫ 来日1年目のペイショットは、日本人の“おもてなし精神”に感激したことがある。開幕後家族で訪れたショッピングセンターでのこと。ゲームセンターのクレーンゲームで、娘のジオバナちゃん(3)が来日後にはまっているアニメ「ドラえもん」のぬいぐるみを発見。まな娘のために手持ちの小銭を何枚も投入したが、取れないまま時間だけが過ぎた。 「最後」と決めた回でも逃し、ジオバナちゃんの目には涙が浮かんだ。驚いたのはその直後。近くでその姿を見ていたジュビロサポーターが自らぬいぐるみをゲットしてプレゼントしてくれたという。「ブラジルではこんなことはない。ホスピタリティーに感動した」。7試合目で飛び出した2発は、心からの御礼弾だった。 (磐田担当=武藤 瑞基) 〇…DF鈴木が後半アディショナルタイムに相手との接触で負傷交代するアクシデントに見舞われた。激しい衝突で顔から出血し担架で運ばれた。横内監督は「試合が終わる前にはベンチに戻り、意識もあった。これからドクター(の検査)に入る」と説明。パリ五輪アジア最終予選を兼ねたU―23アジア杯(15日~5月4日)に臨む日本代表に選出されており、状態が心配される。
報知新聞社