【イベントレポート】マヒトゥ・ザ・ピーポー「i ai」公開に歓喜、小泉今日子「30年で一番好きな日本映画」
映画「i ai(アイアイ)」の公開記念舞台挨拶が本日3月9日に東京・WHITE CINE QUINTO(ホワイト シネクイント)で開催され、キャストの富田健太郎、森山未來、さとうほなみ、小泉今日子、監督のマヒトゥ・ザ・ピーポー(GEZAN)が登壇した。 【画像】映画「i ai(アイアイ)」公開記念舞台挨拶の様子 マヒトゥ・ザ・ピーポーの実体験をもとに製作された本作では、兵庫・明石を舞台に主人公のバンドマン・コウと、コウが憧れるヒー兄や仲間たちが音楽とともに過ごした切実な時間や日常が描かれる。富田がコウ、森山がヒー兄を演じた。 公開を迎えた心境についてマヒトゥ・ザ・ピーポーは「3年間、自分たちの中で大事にしてきたものは、羽ばたいていく。親鳥のような、いってらっしゃいっていう気持ちで、本当にうれしいです」と語る。オーディションで主演に抜擢された富田は、満席の観客を見渡し「この景色を忘れないと思います。『i ai』に出逢えたことは宝物です」と喜びを伝えた。森山は「台本という名前もまだ付けてあげられない状態というか、私小説的な、純文学的な状態のものをマヒトから受け取ったときに、こんなにピュアに届けたい言葉がある、伝えたいことがあるということに特化した物の書き方に久しぶりに出会った感覚があった」と述懐する。 コウや仲間たちが集うライブハウスの店長を演じた小泉は「ライブハウスに夢や憧れを持って集う若者たちは今でもたくさんいると思うんですけど、その中で音楽を生業にして生きていける人って本当にすごく少ないと思うんですよね。でもそういう人たちが置いていった夢の“墓守”のような、そんな気持ちで演じさせていただいた」と口にする。さとうは「私も10年以上バンドをやっていて、売れない時期とかライブハウスでやっていたときもあるし、あきらめて会社員になったりだとか、もうバンドをやっていなかったりとか、そういう人たちの魂も込めて、ライブハウスはあるんだろうな」と述べた。 また小泉は「本当に、30年ぐらいの時間の中で一番好きな日本映画でした」と本作を絶賛。森山は「この体験、色彩、音。映画館で体験するために作られたもの。この空間設計だからこそ、届く言葉。劇場に足を運んでもらうことに、こんなに意味のある映画はないと思います」と話した。 最後に富田は「僕はコウとして生きることができて幸せでしたし、この『i ai』という大きな赤い風船がどこまでも飛んでほしいと思っていますし、心から信じています」、マヒトゥ・ザ・ピーポーは「『i ai』は“別れ”が真ん中にあるお話だと思うんですけど、“生きる”についての話だと思うんですよね。みんなが当事者の話で、自分の大切な人だったりとか、自分自身もまたこの世界からいなくなるときが来る。誰1人部外者がいないストーリーで、映画が終わったあともずっと続いていくものだと思います」と呼びかけ、イベントを締めた。 「i ai」は全国で公開中。 (c)STUDIO BLUE