ブルーインパルスが被災地を激励! 北陸の空を彩った2つのイベントをレポート【自衛隊新戦力図鑑】
3月18日:能登半島地震の被災地における激励飛行
2024年元日に能登半島を襲った大地震は、同地域に大きな被害をもたらした。取材のため輪島市に向かう道沿いでは、北に行くほど瓦屋根をブルーシートで覆う家が増え、倒壊した家屋も少なくなかった。3時間かけて輪島に到着したものの、観光地として知られる輪島朝市通りは地震後の火災で一帯が消失し、かつての面影はなかった。筆者は東日本大震災(2011年)や熊本地震(2016年)でも現地取材を行ったが、被災地の光景は何度見てもいたたまれない気持ちになる。救援活動にあたる自衛隊や行政、そのほかの関係機関、ボランティアの方々には頭が下がる。 当初は17日に予定されていた激励飛行だが、悪天候のため18日の実施となった。激励飛行は志賀町・輪島市・珠洲市・能登町・穴水町・七尾市の6市町、13ヶ所の避難所上空を約30分かけて航過飛行する。高度がやや高めなので、市内のさまざまな場所からその姿を見ることができたことだろう。輪島市の飛行ポイントは高台にある輪島中学校だ。 輪島市は三方を山に囲まれており、どの方向からブルー編隊が進入してくるのか、直前まで見えにくい地形である。筆者は山を避けて北の海側から来るものと予想していたが、反対の南西方向からの進入となった。デルタ隊形での通過ののち、フェニックス隊形に変換し、再び輪島上空をローパスするブルー編隊をカメラに収めた。それは無人の焼け跡の上空を飛ぶブルーインパルスという、やや寂しい一枚ではあるが、復興への願いをこめて撮影した。 その後、立ち話ではあったが住民の方々に感想を伺ったがおおむね好評であり、SNSでも感謝や好意的コメントが多く見られた。飛行するポイントが多く、各地ともそれぞれ数分間のみの展示飛行ではあったが、少なくない被災者を元気づけることができたものと確信する。 さて、2024年度のブルーインパルスによる展示飛行は、現時点で22カ所が予定されており、4月6日の大分県別府市の別府八湯温泉まつりからスタートする。スケジュールは航空自衛隊のホームページ(https://www.mod.go.jp/asdf/pr_report/blueimpulse/schedule/ )に掲載されているので、近くで展示飛行が予定されているのであれば、ぜひ見に行くことをおすすめする。
MotorFan編集部