錦織一清が大阪芸大舞台芸術学科で特別講師 「なんとなく『しくじり先生』の気がしませんか」と場を和ませつつユニークに講義
俳優で演出家、錦織一清(59)が14日、大阪・河南町の大阪芸術大学舞台芸術学部舞台芸術学科で特別講師を務めた。 【写真7枚】大阪芸術大学舞台芸術学部舞台芸術学科で特別講師を務めた錦織一清 「3年前から話があって、ずっと断っていた。生まれて初めてで緊張しています。なんとなく『しくじり先生』の気がしませんか」と和ませた錦織。PART1の座学では約100人の学生に「私の演出論」を講義した。 「きょう、伝えたいのは、今の僕があるのはいろんな皆さんのおかげ」と、デビュー前に「夜のヒットスタジオ」に出演させてくれたフジテレビの疋田拓プロデューサーや、30代前半になって「セリフや踊りにも意味があるんだと、やっと分かった」という劇作家、つかこうへい氏との出会いなどを回顧。 とくに「つかさんは芝居をつけない人。テーラーメイドでお芝居を作ってくれた。僕も演出のとき、ノープランを心がけてます。演技指導型じゃなく、演者の背中を押したい。お芝居を通じて自分を出すことが大事」という演出論に学生たちは興味津々だった。 「シブがき隊って知ってます? ヤックン、フックン、モッコリ…すみません、学校でした」と爆笑を誘いつつの学生とのQ&Aでは、年長者を演出するコツとして「作品がよくなればいいんだから、自信を持ってペコペコしていく」とアドバイスしたり、平常心で舞台に立つため「鼻で息をしてるか確認すると落ち着きます」と伝授。 学生代表3人が講義のお礼にと少年隊の「仮面舞踏会」を踊った際には自らもリズムを取りながらノリノリだった。 PART2のワークショップでは、3月に錦織演出で上演した舞台「あゝ同期の桜」の1シーンに学生が挑戦。実際の稽古中のように演者の間を歩き回り、「お芝居ってお客さんとやってるんです」と身振り手振りで指導するうち、予定された1時間20分を30分も超過していた。 「本当に興味を持ったときの若い人の目の輝き…逆に僕が学んだ気がします」と感謝の錦織は、藤山扇治郎、渋谷天笑ら松竹新喜劇若手リーダー5人が出演する舞台「TENSHO座 Vol.3 熱海殺人事件」(DAIHATSU 心斎橋角座、25~30日)を演出する。