【高校野球】新基準金属製バット製造工場見学 対外試合解禁を前に理解を深める場に
説明会の後は、製造工場を見学。大きく分け、8つの工程の説明を受けた。
「特殊な材料を使っている」(関係者)ことから、国内にある金属バット製造工場は2カ所(横浜、岐阜)だという。その他は台湾、中国など海外の工場で製造されているのが現状だ。 1日に「数百本」(関係者)製造され、1本の金属バットが製品となるまでには「約1カ月」(関係者)を要する。同工場では「両手ぐらい」(関係者)の各国内メーカーから委託され、製造しているという。メーカーによって形状、バランスも異なる。基準内でのそれぞれのオーダーを応える形で、製造している。もちろん、現時点が完成形ではなく「現場、お客様からの要望を受けて改良していくことになる」(関係者)と、技術開発に努めていくという。
従来の金属バットは2万5000円から3万円だったのに対して、新基準は3万~3万5000円とさらに高価となった。「(新たな)工程が増えたため、その分、費用がかさみ、また、時勢によるところが大きい」と、高校生が簡単に手を出せる道具ではない。日本高野連では学校、部員の経済的負担を減らすため、全加盟校に3本ずつを配布した。
日本高野連には「部員数が減少傾向にある中、より部員たちの安全、安心なプレー環境を整える取り組みとして、今回の金属製バット新基準への意向を位置づけている。ひとりの部員を大切にする高校野球を目指していく」という根底がある。
3月2日からの対外試合解禁を前に、理解を深める場となった。センバツ大会は3月18日の開幕を控える。日本高野連・井本亘事務局長は「高校野球も次のステージ、次のステップにいくかと思っている」展望を語った。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール