【阪神】佐藤輝明2発「久しぶりすぎて」会心の笑み「復活の地」で失策挽回の一発「大きかった」
<広島1-2阪神>◇3日◇マツダスタジアム 出た! それも1本じゃない。2本出た。阪神佐藤輝明内野手(25)が、マツダスタジアムで待ちに待った放物線を描き、岡田監督に虎勝の指揮官通算514勝のメモリアル勝利を届けた。「よかったです」。会心の笑みがこぼれた。 【写真】本塁打を放った佐藤輝明を迎える岡田監督 まずは0-0の2回1死の第1打席。広島先発九里の内角141キロ直球を引っ張った。右翼席への4号ソロ。これが4月21日の中日戦以来、123打席ぶりの本塁打。自己ワーストのノーアーチも止める先制ソロだ。「久しぶりすぎて」。思わず本音が漏れた。 波に乗った。同点に追いつかれた直後6回2死。今度は九里の低めのスライダーを左翼席へ。今季初の1試合2発。これで勝った。阪神が同一選手のソロ2本で勝利したのは、95年5月20日広島戦(甲子園)のグレン以来。日本人では83年10月9日中日戦(ナゴヤ)の吉竹春樹以来だった。右へ左へ、データ的にも激レアな2発。もちろん佐藤輝もプロ入り初の快感だ。「最近、いったかな? と思った当たりが入らなかったので、ちょうどどうかなと思いましたけど、入ってよかったと思います」。これが千金の勝利打点となり、久々にヒーローインタビューも受けた。 リベンジの思いも強かった。5回2死の守備では菊池の三塁線へのゴロを見事にキャッチ。だが、一塁送球がそれた。自らの悪送球からピンチを招き、同点に追いつかれた。それだけに「大きかった」とミスを挽回する一撃に安堵(あんど)しながら、「もっともっとしっかり打ちたい」と前を向いた。 プロ入り後は右翼と三塁、どちらも守った。三塁一本で固定してくれたのが岡田監督だ。「当たり前のことを当たり前にやる。それを求められる監督」と佐藤輝は言う。直接は言われなくても、プロ野球選手として大切なものを学んできた。これからも恩返しの1発を重ねていく。「良い状態をキープして貢献していきたい」と復調への手応えもつかんだ。一気の量産態勢に入りたい。【中野椋】 ▼阪神佐藤輝が今季初の1試合2本塁打。23年5月14日のDeNA戦(甲子園)で放った2本塁打以来の複数本塁打で、広島戦ではプロ入り初めてだ。 ▼佐藤輝の決勝打は4月21日の中日戦(甲子園)で松葉から放った決勝3ラン以来、今季5度目。勝利打点5は近本、大山と並びチームトップだ。また、佐藤輝が今季本塁打を放てば4戦全勝で、5発すべてが肩書付き。ここ一番で勝利をもたらすアーチが目立つ。