富山県の上市中学校（上市町稗田）で陸上競技部の部活動中に顧問の教員が投げた砲丸が１年生部員の頭部に当たり、重傷を負った事故を受け、上市中は５日夜、同校で同部の保護者を対象に説明会を開いた。学校側は参加した約３０人に事故の経過や今後の再発防止策などを説明し、陳謝した。 　午後７時の開始前、校内に入る保護者たちは「不安だった。とにかく話を聞いてみないと」「事実を確認したい」などと語った。説明会は非公開で行われ、約１時間４０分に及んだ。 　終了後に取材に応じた白井修之校長によると、自身のほかに教頭と、今回事故を起こした陸上競技部の２０代の顧問とは別の顧問が出席。校長は「安全管理や安全確認が不十分だった」とし、説明会の開催が遅れたことも謝罪したという。 　学校側は事故が起きた場所は本来、砲丸投げの練習場所ではなく走り幅跳び用の砂場だったと説明した。砲丸を投げた教員の顧問歴を、当初の「３年間」から「２年目」に訂正した。

　保護者からは、練習場所に関し「他の生徒も通る場所で危険」と安全対策の徹底を求める声が上がった。説明会の開催が事故から３日後になったことへの指摘や、今後の大会出場を不安視する意見などもあったという。 　学校側は８日に全校集会を開いて生徒に説明、謝罪するほか、全部活動の安全確認や教員の研修を行う。保護者全員への説明会は現時点で予定がないものの、要請があれば検討する。 　事故は２日午後４時３５分ごろに発生。顧問が投げた重さ４・５キロの砲丸が、見学中の１年生部員の頭部右側に直撃し、頭蓋骨を陥没骨折した。