効果は期待できる? やっと入山規制が行われることになった「富士登山」…今から危惧される問題点も
規制はないが、初心者にはむずかしい「静岡側ルート」…すでに山小屋が満室に!
しかし、広報を徹底し、管理をしっかりすれば、こうした問題も解決するだろう。問題は静岡側のルートだと、A氏は言う。 ’23年、須走ルートを利用した登山客は約1万9000人、御殿場ルートは約1万5000人、富士宮ルートは約5万人と、吉田ルートに比べて圧倒的に少ない。そのためなのか、静岡側のルートは、いっさい入山規制せず、24時間、何人でも登れる状態だ。 なぜ静岡側のルートは人気がないのだろうか。 「初心者にはむずかしいからです。吉田ルートは迂回しながら登るけれど、静岡側のルートはほぼ直線的に登る。吉田ルートの往復距離が16.4㎞なのに対して、富士宮ルートは11.3㎞。距離が短いということは、それだけ急だということです。とくに危険なのは下り。初心者は足がつったり、ケガをすることがものすごく多い。最近、山に登っていない人は、ぜひ避けてほしい」 こんなガイドたちの叫びをよそに、規制のある吉田ルートを避けて、すでに静岡側のルートの山小屋は5月末の時点で、ほぼ満室になっているとか。 「レスキューがフル回転するのではないかと、今から心配です」 大事故が起きないことを祈るばかりだ。 取材・文:中川いづみ
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