“赤備え”の武者行列に鉄砲隊の演武 長野で「真田十万石まつり」
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NHK大河ドラマの真田一族ゆかりの長野市松代町で9日、「真田十万石まつり」の武者行列などがあり、県内外の観光客らでにぎわいました。第14代真田家当主の真田幸俊(ゆきとし)さんも馬上の武者姿で行列に加わり、拍手を浴びていました。
14代当主もよろい姿で参加
真田十万石まつりは、今年の大河ドラマ「真田丸」で真田一族が注目される以前から真田信之やその藩政をしのぶ催しとして行われ、すでに今年で61回目。 この日は松代城跡に武将や藩士に扮した人たちや槍振り隊の一団が姿を見せ、徳川家康や武田信玄などテレビドラマにちなんだ顔ぶれも登場。リオ五輪のシンクロ団体で銅メダルの箱山愛香さん(長野市)も秀吉の側室・茶々のあでやかな着物姿で現れ、写真撮影の希望に忙しく応じていました。
午前中に行われた「真田鉄砲隊演武」では、よろい姿の8人が火縄銃を一斉にとどろかせ、詰めかけた観客は「おー」と声を上げたり「スッキリして気持ちいいね」。「ポルトガルから伝来した銃は、その後日本で大量生産され、一時は世界で最も銃の多い国になりました」という解説に「それは知らなかった」と驚く人も。 午後1時から松代町内を巡った武者行列は総勢約300人。赤い色で知られている真田の「赤備え」のよろいを身に着けて沿道を圧倒する軍団や、なぎなたを構えて進む若い女性のグループ、大きな馬にまたがった武将姿の加藤久雄・長野市長らが沿道の人たちを沸かせました。
若草色のよろいを身に着けた14代当主で慶大教授の真田幸俊さんは、手を上げて沿道の拍手に応え、手綱さばきもスムーズ。県外から訪れた中年女性たちは「さすがご当主、落ち着いた方ね」などと言葉を交わしていました。 東京生まれの真田幸俊さんは真田家と関係の深い善光寺や松代藩にちなむ重要なイベントには欠かさず長野市を訪れており、人となりが市民にもよく知られています。
松代町内の駐車場は県外の車などでいっぱいになり、駐車場と会場を結ぶシャトルバスも混み合いました。観光客の中には「松代のイベントの後、上田市の上田城を見学しよう」と話し合う人も。「真田丸」人気はドラマの終盤の盛り上がりに合わせて衰えていないようです。 現在の長野市松代町に多くの姿を残すかつての松代藩は真田信之が上田藩から移ってきた当初は13万石で、その後10万石に。藩校の「文武学校」などが当時の様子のまま残されています。
----------------------------------- ■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説