いかさま師か天才か、エヌビディアで成績上げた新興国市場株ピッカー
(ブルームバーグ): ルイス・カウフマン氏の評価は極端に分かれる。いかさま師か天才だ。
まずは天才の部分だ。カウフマン氏(48)は新興国市場株投資で2桁の年間リターンを生み出す手法を考え出した。これは新興国市場株のここ数年の低迷を考慮すると極めてまれなことだ。
一方、いかさま師だと批判する人たちは、カウフマン氏がアーティザン・パートナーズで運用する「アーティザン・デベロッピング・ワールド・ファンド」に人気の米テクノロジー銘柄を組み込んでいることを問題視し、こうした銘柄がリターンを押し上げていると指摘する。
批判者らはエヌビディアやスノーフレイク、クラウドストライク・ホールディングスが新興国市場とどう関係しているか疑問を呈し、リターンを上げて新興国市場ファンドで1位になるために組み込んだだけだと主張する。
アルマナック・インベストメント・パートナーズのケビン・ハーパー最高投資責任者(CIO)は「誠実とは言い難い」と述べた。
カウフマン氏とその支持者にとってこうした意見は、同氏の成功をねたむライバルや、同氏の戦略の理解に十分な時間を費やしていない業界関係者のたわごとに過ぎない。
収益の大部分を途上国で得ている企業まで定義を広げれば、エヌビディアやスノーフレイク、クラウドストライクは新興国市場銘柄だというのがカウフマン氏の見方だ。
思慮深く創造的
カウフマン氏によれば、MSCI新興市場指数は実質的に過去17年間ほぼ横ばいで、古典的で狭い定義の新興国銘柄のみに投資しても極めて低いリターンにとどまることから、より幅広いアプローチが必要だ。
「われわれは新興国市場を避けようとはしていない。思慮深く創造的なやり方で新興国市場と向き合おうとしている」と同氏は語る。
実際、直近の届け出によると同氏のファンドは運用資産30億ドル(約4540億円)の40%余りを米国の企業に配分しており、テクノロジー銘柄のほかコカ・コーラやビザ、エスティローダーも含まれる。