マクドナルドで中学3年の男女を刺した男、身を守る間も与えず襲ったか…店員も犯行目撃できず
北九州市小倉南区のファストフード店で中学生の男女2人が男に刃物で刺され、女子生徒が殺害された事件で、2人に抵抗する際にできる防御創と呼ばれる傷がなかったことが捜査関係者への取材でわかった。福岡県警は2人が抵抗する間もなく不意に襲われたとみて調べている。 【写真】近くの小学校に登校する児童ら
県警によると、事件は14日夜、「マクドナルド322徳力店」で発生。入店した男が注文のためレジの最後尾に並んでいた2人に無言で近づき、同区の市立中3年の女子生徒(15)の腹部と男子生徒(15)の腰付近をそれぞれ1回、ナイフのような物で刺して逃走した。
捜査関係者によると、2人には刃物から身を守ろうとして手などにできる防御創がなかった。2人の傷痕の状況から男は切りつけるのではなくそれぞれ突き刺したとみられ、退店までの時間は30秒にも満たなかった。これまでの捜査で犯行の様子を目撃した店員や客も確認されていないという。
女子生徒の死因は失血。男子生徒は命に別条はないものの、刺された場所によっては致命傷になりかねない深い傷だったという。男子生徒は入院して治療中。県警は殺人と殺人未遂事件として捜査している。
「早く捕まってほしい」
事件後初めての平日となった16日、北九州市小倉南区の現場近くの小学校では警察官や教職員が警戒する中、児童たちが保護者に付き添われながら登校した。
現場付近には複数の小中学校や保育施設が点在しており、16日は早朝から福岡県警のパトカーや白バイが巡回。現場近くの小学校に息子を送った男性(45)は「犯人が捕まっていないことが一番の不安。早く捕まってほしい」と話した。
市教育委員会によると、この日、被害生徒が通う中学校は休校となった。それ以外の市立学校は通常通りの登校となったが、当面の間、午後5時までに複数人で下校する。児童・生徒が不安を訴えた場合は欠席を認め、希望があればオンライン授業で対応する。