【不審物】中身はいちごジャムに日用品… 相次ぐ通報 たかが忘れ物では済まないことも
「東京・銀座駅に”不審物”」「広島駅に不審物か。警察が出動」 最近こうしたニュースを目にすることが多くはないだろうか。もちろん、G7広島サミットに向けて警察当局はテロ対策に力を入れているし、広島に最大で2万4000人もの警察官が投入されている影響はあるだろう。 しかし、ある警察当局の幹部はこうも言う。 「そもそも一般の方が110番通報してくれる事例が増えているように思う」 「不審物」はどういうものが多いのか、そして結果として爆発物などではなかったとしても、わたしたちは何に気をつけるべきなのか。
■金属製のものは「専門部隊を呼ぶことに」
5月9日、銀座駅近くで、「紙袋に入った不審物」が見つかった。警察当局は、爆発物の可能性もあるとして、周囲を規制。物々しい雰囲気の中、警視庁の「爆発物処理班」が出動。調べると・・・中身は缶に入ったお菓子の「クラッカー」だった。 「クッキーなどのお菓子の缶のように明らかに金属だと、金属探知機では意味がないのでX線検査などを行うことができる専門部隊を呼び対処することになる」(同前) こうした事例は、最近特に増えているという。
■「最悪の場合、民事訴訟の可能性も」
4月下旬から5月中旬にかけて、不審物が見つかったとして相次いで通報があった。幸いなことに「爆発物」だった事案はなかった。いずれも、いたずら目的ではなく、「忘れ物」や「放置されたもの」だったという。 しかし、たかが忘れ物でも注意が必要だ。 多くの人が行き交うような駅や商業施設を封鎖するなどして影響が甚大となった場合、さらに忘れた側の過失があまりにも大きい場合には、民事訴訟で賠償を請求される可能性があるというのだ。 「不審物となると封鎖したり、店舗を閉めたりして迷惑がかかる。民事訴訟になる可能性もあり気をつけてほしい」(同前) ちなみに、「いたずら目的」で不審物を放置した場合には、「業務妨害事件」として刑事罰に問われることもある。 わたしたちが気をつけた方が良い点は以下。 ・荷物を放置してどこかに行かない ・コインロッカーが空いてなくてもスーツケースを置いたまま離れない。 ・ゴミ箱以外の場所に物を捨てない 本来”そこにあること”が自然でない場合は、不審物として扱われることが多いという。