新サカスタ建設の「立役者」 寿人が水本が念願ピッチで躍動 サンフレレジェンドマッチ
3度のリーグ優勝を達成した紫の強者の登場で、時計の針が黄金期に戻った。エディオンピースウイング広島(広島市中区)で21日にあったJ1サンフレッチェ広島の往年の選手が集ったレジェンドマッチ。2012、13、15年の優勝で建設への道筋をつくった選手が、夢に見た新スタジアムでのプレーを堪能した。 【写真】サンフレ往年の名選手が一堂に ピースウイング広島でレジェンドマッチ(全14枚) DFの間をかい潜り、ゴール前に湧き出るように顔を出す佐藤寿人さんに、最終ラインでピンチの芽を摘む水本裕貴さん。長髪をなびかせてサイドを駆け上がり続けたミキッチさん。現役時代をほうふつとさせるプレーは、かつてのピッチより臨場感が増した舞台で注目の的だった。 悲願の「まちなかスタジアム」の誕生でこの1年、街は紫色に染まった。先駆けとなったのが12年のJ1初優勝。同年に選手自らが市内中心部に出向いて集めた署名も大きな力になった。当時キャプテンだった佐藤さんは「今季躍動した選手の理由が、この空間であることが感じられた。クラブと街の未来のために、みんなで活動してできた場所」。感慨深げに完成までの歳月を振り返った。 開業元年の年の瀬に、支えてきたOBが集結。32年の歴史の一端が見えた90分だった。水本さんは「つないで来たことで今がある。ここで優勝して新しい歴史をつくってほしい」。新たなクラブの歩みは、夢の器とともに刻まれていく。
中国新聞社