中国EV大手BYD、仙台に初出店 日本進出2年で全地方に正規店
ホンダと日産が経営統合に向けた協議を始める。背景にあるのは米テスラや中国の比亜迪(BYD)など新興メーカーの躍進だ。そのBYDは19日、東北地方初のショールームを備えた正規販売店を仙台市でオープンした。日本市場に進出して2年足らずで国内全地方に正規店を構える体制となった。21日には九州でも新しい正規店がオープンする予定で、積極的な販路拡大を図っている。 仙台市中心部に設けられた販売店は国内36店舗目。電気自動車(EV)のスポーツセダン「SEAL(シール)」やスポーツタイプ多目的車(SUV)「ATTO3(アットスリー)」など5台を展示する。BYDは2025年末までに正規店を100店舗まで拡大する考えだ。 BYDは1995年に中国でバッテリーメーカーとして創業し、03年に自動車事業に参入した。プラグインハイブリッド車(PHV)を含めた23年の世界販売台数は302万台だったが、24年内にホンダ(398万台)や日産(344万台)を超える400万台に到達する可能性がある。 日本自動車輸入組合によると、BYDの日本での24年1~11月の累計販売台数は前年同期比172・5%の2134台。4万台を超えるメルセデス・ベンツなどとの差は大きく、BYDの世界販売の中での日本のボリュームも小さいが、数字は着実に増加している。 今年11月末には俳優の長澤まさみさんが出演するテレビコマーシャル(CM)の第2弾も放映を始めた。BYDオートジャパンの東福寺厚樹社長は、「輸入EV販売のトップランナー」を目指すという目標を掲げている。【秋丸生帆】