大津地裁

　乗用車で女性をはねて大けがを負わせたとして、自動車運転処罰法違反（過失運転致傷）の罪に問われた滋賀県警警部の被告（47）=大津市=の判決公判が11日、大津地裁であり、沖敦子裁判官は禁錮1年6月、執行猶予3年（求刑禁錮2年）を言い渡した。 【写真】判決後、現在の体調などを説明する女性 　判決によると、被告は昨年8月17日朝、自家用車で通勤中に滋賀県草津市内の交差点で、横断歩道を歩いていた同市の調理師の女性（24）をはね、頭部外傷や骨盤骨折など約1年の治療が必要な重傷を負わせた。沖裁判官は「被害者は横断歩道を渡っていただけで、落ち度はなかった。運転者として基本的な注意義務を怠り、過失は大きい」と指摘した。 　県警は昨年11月に被告を書類送検し、大津地検が4月に在宅起訴していた。県警は事故を公表しておらず、「態様や状況などの総合的な判断により広報しなかった」と説明した。監察官室の渡口充彦室長は判決を受けて「被害者の方に心よりお見舞い申し上げる。判決内容を踏まえ、内部処分する」と話した。 　判決後、取材に応じた女性は、事故により約5カ月間入院を余儀なくされたとし、「今も頭痛に悩まされ、復職のめどがつかない。公表もされておらず、県警に不信感がある」と訴えた。