日本初! 東京で開催されたフォーミュラEをレポート
デートにもオススメなEMOTION CLUBとは?
EMOTION CLUBとは、最上級グレードのホスピタリティラウンジのことで、参戦する各メーカーがそれぞれ観戦用のブースを設置している。当然誰もが入れるわけではなく、メーカーのVIPかEMOTION CLUBのチケット購入者だけが入室を許される特別な空間だ。今回の「東京E-Prix」では特別な入場ゲートが設けられ、サーキットに一番近いホットな観戦エリアが用意された。
シャンパンを片手に室内にある大型ディスプレイのライブ中継を見るもよし、屋外で目の前を駆け抜けるマシンをライブ体験するもよし、いずれもより臨場感と一体感のある観戦が楽しめるので、女性を連れ立って楽しみたいという読者諸兄には実にピッタリのシートだろう。
さてレースはというと、公式予選でニッサン・フォーミュラEチームのオリバー・ローランドがポールポジションを獲得。ホームレースだけに日産の応援スタンドも大いに盛り上がった。そして、決勝レース前には、フォーミュラEの東京への誘致を陣頭指揮した小池百合子東京都知事と政府として目標を掲げている2050年のカーボンニュートラル活動への一環ということもあり、岸田文雄首相がスターティンググリッドにサプライズ登場し華を添えた。 決勝レースは、ポールポジションのオリバー・ローランドと2位につけたマセラティMSGレーシングのマキシミリアン・ギュンターがデッドヒートを繰り広げ、最終的にマセラティのギュンターが勝利。ニッサンのローランドは惜しくも2位となった。
はじめての観戦でも楽しめるのが魅力
フォーミュラEの魅力は、最後までめまぐるしくバトルが繰り広げられる展開の面白さにある。スタートダッシュを決めて、あとはひたすらトップが変わらない最近のF1とはまったくの別もの。今回、はじめてレース観戦をしたという人も多くいたが、想像していた以上に楽しかったという声を聞けたのが印象的だった。
EVの技術は日進月歩なので、2026-2027シーズンからは「GEN4」のマシンが導入予定だ。これは、さらにバッテリー容量も航続距離も伸び、パワーも現行の倍近くになったコンペティティブなマシンになると公表されている。またそのタイミングにおいて、ワンメイクのタイヤサプライヤーとして日本のブリヂストンが参戦。さらに先日、二輪メーカーのヤマハ発動機が英国の老舗レーシングカーコンストラクターのローラと手を組んで、電動パワートレインの開発、供給を行う予定という。 「東京E-Prix」は3年契約といわれており、今大会の成功を受けて来年はさらに席数や観客数も増えることになるはずだ。また市販のEVと同様にフォーミュラEもまた進化の過程にあり、おそらく今後は新規メーカーの参入や再参入もあるだろう。エンジン音がないレースなんてつまらないと思い込んでいる人は、ぜひライブでの観戦をおすすめしたい。
文/藤野太一 編集/Web LEON編集部