広島ファンが巨人・大竹にブーイングを浴びせなかった理由
■大竹に襲いかかった広島打線 カープファンの溜飲をようやく下げさせたのは6回である。先頭の菊池から一気に5連打。3点差に詰め寄り、キラに代わって1軍昇格しているドミニカのカープアカデミー出身の新外国人選手のロサリオが、センター前で、続いた時点で原監督が、交代を告げた。 一死も取れずに無死一、二塁と走者を残したまま大竹はマウンドを降りた。「リズムに乗ってきたところだったのに情けない。積極的にくる打線に対してストライクを集めすぎた。まだまだ反省点が多く練習しなければいけません」 大竹は、そう嘆いていたそうだが、広島は、昇格したばかりの横山ら中継ぎ陣が崩壊。かつてのチームメイトに史上15人目となる12球団勝利の記録をプレゼントしてしまった。それでも、試合後の野村監督は「(大竹には)苦手意識はないと思うし、そういう気持ちを出してくれた」と、6回の意地の5連打を評価した。 セ・リーグの勢力図を見る限り、好調阪神も、投手陣は中継ぎを含めて不安だし、ペナントレースは、巨人と広島のマッチレースとなりそうな様相。広島を出ていった大竹を今後、どう攻略していくかは、カープの優勝の行方を占う上でも、鍵となる対戦になっていきそうである。 (文責・駒沢悟/スポーツライター)