人材育成、小規模企業ほど余裕なく 従業員5人以下だと「取り組んでいる」35% 熊本県中小企業家同友会が調査
熊本県中小企業家同友会の会員企業向け調査で、従業員教育に「取り組んでいる」と答えたのは、従業員5人以下で35・7%だった。6~20人や21人以上の企業よりも30ポイント超少なく、規模の小さな企業ほど人材育成に余裕がない状況がうかがえた。 熊本の経済ニュース
調査は8~9月に初めて実施し、140社が答えた。従業員教育に取り組んでいると答えたのは全体の72・7%。規模別にみると、6~20人は74・5%、21人以上は91・8%だった。 従業員教育の目的(複数回答)は「(既存分野での)スキルの向上」が全体の63・0%で最多。次いで「組織内コミュニケーションの強化・改善」51・0%。「リーダーシップの育成」32・0%、「新技術・事業に関する知識の習得」28・0%、「多能工化(複数業務の習得)」25・0%などの順。 従業員教育の課題では、「時間が取れない」が最多の70・8%だった。 調査結果を分析した熊本学園大の足立裕介准教授は「企業の規模が小さくなるほど利益率が低くなる傾向にある。そのため、すぐには経営に好影響をもたらさない『教育』に時間を割けないのではないか」と指摘した。 従業員教育の時間を確保するための方策として、手書きやFAXに依存している業務のデジタル化や、従業員が複数業務をこなせるよう、一定期間で部署を変更する制度の導入を挙げた。(岩崎皓太)