新春に向けて「福あめ」作りが最盛期 固まる前に包丁で素早くカンカン…「時間との勝負」
年明けに長野県松本市で開かれる伝統行事「松本あめ市」に向けて、同市新橋の新橋屋飴(あめ)店で「福あめ」作りが進んでいる。19日は、朝から職人6人が昔ながらの製法で「福助」をかたどった飴を製造。細長く伸ばして「カンカン」と包丁で切ると、かわいらしい顔がたくさん並んだ。 【動画】職人二人がかりで直径30㎝の太さの飴を伸ばして細くしていくと…
福あめは冬季限定で販売される縁起物。同店では、砂糖を使わずもち米と麦芽からできた「米あめ」と水あめを混ぜ、クチナシや紅こうじ、イカ墨で色付けして形にする。冷えると固まるため作業は「時間との勝負」、直径30センチの飴を2人で引っ張ったり転がしたりして直径約2センチまで伸ばし、手際よく切り分けていた。
約20キロの塊から6500粒ほどでき、今季は1袋100グラム入りで約5千袋を生産するという。田中聡社長(60)は「来年が良い年になるよう願いを込めている。家族みんなでかわいい顔を眺めながらゆっくりなめてほしい」と話していた。福あめは1袋税込み640円。店頭や小売店の他、各地のあめ市で販売する。