<Jリーグ>浦和と広島の勝利スタイルの違いとは
野球に比べて得点が入ることの少ない競技であるサッカー。そんなサッカーにおいては1点で試合が決することも多々あるが、果たして先取点を取ることで試合を有利に運べているのか。今回は先制点の優位性を検証してみたい。
■先取点取ると勝つ確率上昇
表1には2015年にJ1に在籍するクラブの先取点を取った場合の試合展開と同2014年分をまとめた。 先取点を挙げたチームで勝率50%以上は 13/18チーム(15年) 17/18チーム(14年、降格した3チームも50%超) また勝率70%以上でも 7/18チーム(15年) 10/18チーム(14年) 先取点を取ることで自分たちのリズムで試合を運べ、それに伴い勝率も上がっているのが分かる。14年に降格した3チームも50%超で勝利していることを考えると、降格を避ける上でも先取点を取った試合は最低限制したい。
表2には先取点を取って勝利した試合数が、全勝利数に占める割合をまとめた。やはり全チーム50%を超えており、先制点が全勝利の多くを占めていることから、勝点を稼ぐ上でも重要なファクターであることが分かる。また、先制点の持つチームごとの意味合いもうかがい知れる。 甲府や山形のように1点を奪い引いて守って勝利するチームには先取点勝利が勝利の必需品 全勝利に占める割合が高い甲府、G大阪、F東京、名古屋、鹿島、川崎Fは先取点獲得で勝率アップ 先制点を挙げることで勝利に一歩近づくことが分かったわけだが、今季優勝争いをする2チームは少し事情が違うようだ。
■浦和と広島が持つ他チームとの違いは?
今シーズン首位争いを繰り広げる浦和と広島には、他の上位争いをするチームと比べてある違いが見られた。それは両チームとも全勝利に占める先取点勝利の割合は決して高くないという点。つまり、優勝争いをするだけあって「全勝利数が多い」にもかかわらず、他チームに比べて「先取点勝利の数がそこまで多くない」のである。 その差は何かー。「先制点を許したにもかかわらず勝利している試合数」が決定的な違いで、通算勝利数を伸ばしている要因でもある。それをまとめものが表3となっている。