勇気ある会見で判明した日大と内田前監督の4つの許せない“嘘”と矛盾点
最後に。 宮川氏は自らが犯した罪への懺悔を繰り返していた。 「判断できなかった自分の弱さです。少し考えれば間違っていたことを判断できた。自分の意思を強くもつことが今後重要だと思う。でも、あのとき自分はそのこと(違反行為をしない)は考えられなかった。1週間で追い詰められ、やらないという選択肢はない状態になっていた。今後は、自分の意思に反するようなことはフットボールにかかわらず、すべてにおいてするべきじゃないと思う」 THE PAGEで、すでに記事にしたが、スポーツ心理学の権威である東海大の高妻容一教授は、「このような環境で、プレッシャーをかけられて追い込まれた選手は善悪の判断がつかなくなることがある」というスポーツの現場における心理を分析していた。「厳しい環境でフットボールが好きでなくなる」ほどの環境下におかれ、「日本代表を辞退しろ」というパワーハラスメントを受けても「言い返すこともできなかった」というチーム体質にどっぷりとつかってしまっていた宮川氏に正当な判断を求めることに無理があったのだ。 やってしまった反則行為は罪だが、宮川氏もまた悲劇に巻き込まれた被害者である。 関学大の鳥内秀晃監督も「行為そのものは許されるものではないが、勇気を出して真実を語ってくれたことには敬意を表したい。立派な態度だった」と評価。被害者の父親も「自分のしてしまったことを償い、再生していただきたい、勇気をもって真実を話してくれたことに感謝する」と再起へのエールを送っていた。 繰り返すが、こんな指導者を野放しにしていた日大には重大な管理責任がある。もう教育機関という看板を下ろして、たんまりともらっている各種補助金を国へ返上したほうがいい。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)