打線好調の報徳学園、エース右腕に命運懸かる山梨学院 センバツ決勝
◇第95回記念選抜高校野球大会最終日 山梨学院―報徳学園(午後0時半開始予定) 【息詰まる投手戦…広陵vs山梨学院を写真で】 両チームの甲子園での対戦は初めて。全4試合で2桁安打と打線が好調な報徳学園(兵庫)に対して、1回戦から登場で1試合多い山梨学院はエース右腕・林謙吾投手(3年)の出来がポイントとなる。 報徳学園は切れ目のない打線に加えて、準々決勝まで2試合連続延長タイブレークサヨナラ勝利や、準決勝で最大5点差を逆転勝ちするなど、粘り強さも光る。3番・堀柊那選手(3年)、初戦で本塁打を放った4番・石野蓮授選手(3年)は勝負強く長打力も兼ね備える。下位打線では林純司選手(3年)が3試合連続で3安打と不気味な存在だ。 投手陣も盛田智矢投手(3年)、間木歩投手(2年)、今朝丸裕喜投手(2年)の「三本の矢」で勝ち上がってきただけに、疲労も分散している。戦いぶりを見ると、決勝は最速141キロで角度のある直球が持ち味の今朝丸の先発が予想されるが、調子次第では早めの継投も可能だ。リードを担う捕手・堀の二塁送球は1・8秒台で、相手の機動力野球を封じることもできる。 山梨学院は林の調子にチームの命運が懸かる。全5試合に先発して防御率は1・27。42回3分の2を投げて4四死球と安定感があり、特に右打者へのアウトコースの制球力は抜群だ。 「1週間500球以内」の投球数制限により、林が決勝で投じられるのは160球。1試合を投げきるには十分な数だが、スタミナに不安を残す。準決勝でも終盤にボールが高めに浮く場面があった。早いカウントから打たせて取る投球を心掛けたい。 打線は4番・高橋海翔(ひろと)選手(3年)が3試合連続打点と勝負強く、6番・進藤天選手(3年)も打率6割超と絶好調。接戦に持ち込み、準々決勝、準決勝で見せた持ち味の集中打を発揮して勝機を見いだしたい。【藤田健志】