<しゃべってや~>自転車で南極点到達の会社員・大島義史が語る南極生活
綿密な返済計画を立て家族の生活に影響なし
現在も、会社員を続けながら自転車、そして家族サービスに没頭する日々を送っている。南極を旅した際の莫大な費用も計画的に返している。さすがは大手企業の経理社員、行く前に普段の生活に影響を及ぼさないように綿密な返済計画を立て、それを実行しているわけだ。そのかわり「お小遣いはほどんどありませんけどね」と苦笑する。
一家の大黒柱としてフル回転
間もなく、新しい家族も増えるとあって充実した日々を送っている様子だが、自転車旅の夢にはまだ続きがあるそうだ。「次はデスバレーへの自転車旅を計画しているんですよ」と話す。 それを聞いた筆者は「また行くのか」と思ったが、これは夏休みなど決められた範囲内での計画で、由佳さんも了承済み。もちろん大きな仕事がある場合は、そちらを優先するとのこと。そして、仕事でも家庭でも一生懸命、一家の大黒柱としてフル回転しているようだ。 また、大島さんは日本人としては初めて自転車で南極点到達を果たした。これまで今回の自転車コースなどはなかったが、これがモデルケースとなり「自転車旅行」のツアー化も検討されており、まさに南極自転車旅のパイオニア的な存在にもなった。 そして、これまでの旅で様々な経験を積んできた大島さんだが、こうした経験を書籍にまとめたりし、講演などに呼ばれることもしばしばあるそうだ。かつて、自分も図書館で冒険家の本を手にし、南極への夢を抱いた。そして、いま、自分の書籍も各地の図書館に置かれているそうだが、果たして、第2の大島義史はあらわれるのだろうか。 ■大島義史(おおしま・よしふみ)1984年広島県生まれ。学生時代から自転車の旅に魅せられ、社会人になった後も有給休暇を取って自転車で世界を駆け巡る。長年にわたり会社や家族と話し合い、2015年12月に有給休暇を取って自転車で南極点へ行く旅に挑み、2016年1月に南極点へ到達を果たす。同月帰国後は間もなく職場へ復帰した。神戸市在住。インタビューでは「僕は冒険家じゃない、サラリーマンですから」と答えている。同年10月に初の著書「会社員 自転車で南極点に行く」(小学館クリエイティブ)を発表した。