国の教育ローンを満額の350万円利用しました。月2万円くらいならムリなく返済できそうなのですが、そうすると全額返済までに何年かかるでしょうか?
子どもが大学や専門学校への進学を希望しているけれど「入学金や授業料などの用意が難しい」というケースも珍しくないでしょう。そのようなときに頼りになる方法が、国の教育ローンです。国の教育ローンは、教育の機会均等と教育に関する経済的負担の軽減を目的にした公的融資制度で、日本政策金融公庫が取り扱っています。 本記事では国の教育ローンの概要をはじめ、350万円借りた場合の返済金額と返済期間などを解説します。
国の教育ローンとは?
国の教育ローンの利用条件や金利・返済方法などを図表1でまとめているのでチェックしていきましょう。 【図表1】
※日本政策金融公庫「教育ローン用 返済シミュレーション」より筆者作成 どんな家庭状況でも国の教育ローンを利用できるわけではありません。申込者となる人の世帯で扶養する子どもの人数によって、図表2のように世帯年収(所得)の上限額が異なるため注意してください。 【図表2】
※日本政策金融公庫「教育ローン用 返済シミュレーション」より筆者作成 ■金融機関の教育ローンとの違い 国の教育ローン以外に各金融機関でも教育ローンを取り扱っており、それぞれに違いがあります。 国の教育ローンは、申込者となる人の世帯年収の上限額を定めており、上限を上回る場合は申し込めません。それに対し、金融機関の教育ローンは、年齢や継続的な安定収入(収入に関する上限なし)がある人という条件を満たしていれば申込手続きが可能です。 また、金融機関の教育ローンは国の教育ローンよりも申し込み上限額が高く(3000万程度)、さらに融資までにかかる日数も国の教育ローンの通常3週間程度に対し、金融機関は1~2週間程度です。
国の教育ローンを350万円借りた場合の返済金額と返済期間
日本政策金融公庫の「お申込みシミュレーション」から、借入希望金額や希望返済期間を入力することで、毎月の返済金額や返済総額などのシミュレーションが可能です。 例えば、国の教育ローンを満額となる350万円を年2.2%、最長の18年間借りた場合のシミュレーション結果は以下のとおりで、返済額は毎月約2万円となります。 ・毎月の返済額:1万9800 円 ・1年間の返済額:23万7600 円 ・返済総額:425万6000 円 ・保証料総額:19万4120 円 ■在学期間中は利息のみの支払いも可能 国の教育ローンは、在学期間中は元金を据え置いて利息のみの支払いが可能です。例えば、国の教育ローンの借入金額が100万円、返済期間が10年間、そのうち4年間は利息のみの支払いとする場合の返済シミュレーションは以下のとおりです。 ・在学期間中の毎月の返済額:1900円(48回払い) ・卒業・修了後の毎月の返済額:1万4900円(72回払い)
返済シミュレーションを活用して無理のない返済計画を立てよう
子どもの教育費が足りない場合、無理をして支払うのではなく国の教育ローンの利用を検討してみましょう。満額の350万円を最長である18年間借りた場合の返済額は毎月1万9800円ですが、ボーナス月の増額などで返済期間の短縮が可能です。 また、日本政策金融公庫の「お申し込み2q1シミュレーション」から、毎月の返済額などのシミュレーションが可能なので、無理なく適切な期間で返済できる計画を立ててみましょう。 出典 日本政策金融公庫 教育ローン用 返済シミュレーション 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部